RME Babyface Pro FS レビュー

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元々はSM7Bとのコンボで最強の配信コンビを作ろうとして買った。

実際、音質は最強によく、少し硬くて冷たい音にはなるものの、OBSに載る純粋な音質としては、SM7B+Babyfaceだと良い意味で可もなく不可もなくのナチュラルな音が録れて良かった。

ただし、結局最終的に配信では使わないなとなった点が2つあり、一つは予想していたように、リップノイズが載りすぎること。

SM7Bの場合だと、自分的には口の前だけどポップノイズを避けるため少し横にずらす手法と、口の斜め下あたりにポンと置いておいて、拳1・2個あたりの距離間で録るのと2パターンあるが、リップノイズのため実質後者の使い方しか無理だなと思った。

このやり方で録った音は、SM7Bの記事に書いた低域の問題をクリアできるものの、録れ音が軽くて結局あまり気に入らなかった。そして、前者の普通の録り方でノイズキャンセルを使うのも、最近の自分の考えだと遅延やら劣化が嫌で、Clarity VX等も使わなくなっていたため却下。

そしてもう1つの問題が、個人的にこっちの方が大きかったのだが、AG06等の配信ミキサーと比べ、音楽用機材でもあるのでヘッドルームが確保されており、結果Babyfaceで音割れさせたボリュームでもOBSでけっこう小さいという事がある。

当然元々の音質が良いためOBSでゲインしても勿論Babyfaceの方が音質が良く、ともすればAGはゲインを上げるとノイズが入ると言われており、Babyfaceの方が悪い理由にはならない。

しかし、OBSプレイ時間数百時間の私の感覚なのだが、OBSでゲインを大きくとった音の方が、なぜか同じようにコンプレッサーをかけても音量の変化が激しいような気がする。

という半ばオカルトじみた感想なのだが、最近はそもそもOBSで手を加えるのもなるべく工程を減らす方向性のため、詳しい人にはありえない話なのだがAGでいいやとなった。

まあ他にも体感的にAGでいいやとなった理由があると思っていて、それが音質の話だ。Babyfaceの音質がextremely goodなのは言うまでもないのだが、配信の音質はもしかすると「良いほど良い」ではなく、ちょうど良い塩梅があるのではないかと考えている。

例えば、YAMAHAのインタビュー記事を見れば分かるのだが、AG06はAG08と違い、input mixを使う限りAD/DA変換(アナログデジタル変換)が2回になってしまい、通常のインターフェイスの1回と比べ音質が”変わって”しまうと言われている。

なので06とbabyfaceだと圧倒的な音質の乖離があるのは当たり前で、構造上06は音質面でbabyfaceと比べる領域にはいない。

ただ、ここで面白いのが、私が自分自身の手・目で「これで良いでしょう」と確認したそれぞれの設定で配信をやると、なぜかAGの方が数字を取れるしコメントが多いのだ。これは結構なサンプルを取ったし、なんだったらアーカイブの再生が数千行っているのは、他にも記事を書くつもりの色々なマイク・インターフェイスの組み合わせの中から、SM7B+AG06なのだ。Babyfaceではない。

ここに配信の面白い所が出ていると思っていて、つまり、リスナーさんにとっては聞きやすさ>音質の良さであり、さらに私の配信の場合なんとなく親しみが持てる声質>イケボだという事である。

もちろんホロライブのさくらみこさん、角巻わためさん、にじさんじ叶さんのように、Babyfaceでもリップノイズが載らず素敵な声で配信されている人々はいる。しかし、私は結局の所、「遅延がある代わりに良いノイキャンを使ってサンプル数計算してゲーム・ゲーム音にも遅延を入れて合わせて…」という工程も不自然さを含むし、多分いつか入れ忘れて放送事故になるし、と考えると、シンプルな設定の方が良いのではないかと思う。

(Babyface環境でリップノイズの可能性を極限まで減らす方法が他に思いつかない。上記配信者の音声は比較的手をたたく音、叶さんの場合は部屋の反響も若干含んでいるので、そこまで複雑な設定はしていないのだとは思うが)

という事で、まあ主に私の経験則、私の部屋の鳴りや声質では、という話ではあるが、結果が出たりリスナーさんに気に入ってもらえるのがAGの方だと判断し、Babyfaceは使わなくなったという話だった。

Babyface、本当に良い機材だと思う。ただ、兎田ぺこらが使用をやめた・森カリオペが「配信には不要」と発言したように、我々趣味で配信する一般人の多くにとっては、予想はできたがオーバースペックなようだ。

一応自分はぺこーらがかなり好きで、彼女はTLM102というコンデンサーマイクを使っているが、自分はSM7Bなので良い塩梅で行けるだろ!と思い購入、その計算も大まかには正しかった。

しかし、結局の所その機材を使って声を録ってみて、「よし、今後ずっとこれで行くぞ!」となるかは使ってみないと分からない。私の場合は、Babyfaceで試し撮りした録音はかなり良いなと思ったが、実際に配信で使ってみた結果、「AGでいいか」これだった。

正直このレビューが誰かの役にたつ可能性は低いだろうが、うーん、ゲインがいらない音量が送れて音質も良すぎないAGで結局いいんだよなあ…これ伝わらないかな~といった心境。

ただ最後に、今の時代合わなければ売れば良いので、気になった機材はどんどん試してみるべき!買わないと数年後にも「使ってたここ〇年と使わなかったこの〇年で、変わってたのかな」と思うだろうし、全く異なる別の機材を触った経験は、あなたの音楽センスに必ず影響してくる。

気になるなら触ってみよう。検討を祈る。

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