僕が下記記事で「BenQ ZOWIE XL2546K」を紹介してから、けっこう時間が経った。
あの記事にそこまで影響力があったとは思えないが、やはりプロの使用モニターをまとめてみても、BenQのシェア率は圧倒的だったので、お金を貯めて購入した人も増えてきたのではないか。
今回は、モニター「BenQ ZOWIE」シリーズを使っている、プロや有名ストリーマーの設定を集めてきたので、まとめて公開する。
あまり人数は多くないが、トップの実力を持つ人ばかりのデータなので、参考になると嬉しい。
それでは始めよう。
Oblyの「BenQ ZOWIE XL2546K」設定
まずは、元T1・Riddleで、今はFAのOblyの設定だ。アジア最強選手の設定はいかに。
設定項目 | 値 |
---|---|
Black eQualizer | 7 |
色の鮮明さ | 7 |
ブルーライト軽減 | 0 |
ガンマ | 3 |
色温度 | 赤94 緑97 青100 |
DyAc+ | オフ |
輝度 | 75 |
コントラスト | 44 |
シャープネス | 7 |
AMA | 高 |
Oblyの設定は、他の選手よりも極端に明るくなく、見やすい。
特に、何を元に作ったのかは分からないが、独自の色温度とデジタルバイブランスのバランスが丁度良い。
(おそらく縁起を担ぐ意味で7という数字を大切にしていると見ている。)
DyAc+をまさかのオフにしている。これはおそらく、自前のモニターが使えないオフライン大会を考慮して入れていない。
もしくは、練習時間がめちゃくちゃ長いので、目にかかる負担を少しでも軽減したいか。一般プレイヤーはプレミアム一択だと思う。あれがないとパッドに近距離で勝てない。
Sellyの「BenQ ZOWIE XL2546K」設定
圧倒的なエイム力でApex業界でも1,2の知名度を誇るSelly。次のALGSはParkha・Oblyと出るという噂も。
設定項目 | 値 |
---|---|
Black eQualizer | 4 |
色の鮮明さ | 12 |
ブルーライト軽減 | 0 |
ガンマ | 不明(50とあるが1~5) |
色温度 | 不明(400 3とあるが3項目で0~100) |
ブラー軽減(DyAc+?) | オフ |
輝度 | 70 |
コントラスト | 44 |
シャープネス | 7 |
AMA | プレミアム |
こちらでもDyAc+を使用していない可能性が高い。
よく考えてみると、黒挿入は文字通りパラパラ漫画に黒い1枚を毎回挿入しているので、フレームレートの観点で見ると不利説もある。
が、1/240枚の影響力よりも、人間から見て見やすい方が大事なので、説得力が薄い。もしかしたらオフの選手は単に画面が暗くなるのを嫌うのかもしれない。
支障が出るほどの暗さではないのでこれも微妙な説明ではあるが…(僕はDyAc+プレミアム・輝度0で全く問題なく見える。)
Karonpeの「BenQ ZOWIE XL2546K」設定
Obly・Parkhaと共に、ALGSプレイオフで優勝したKaronpe。精神的な問題に悩んだ時期もあったが、非常に優秀な選手。
設定項目 | 値 |
---|---|
Black eQualizer | 0 |
色の鮮明さ | 12 |
ブルーライト軽減 | 不明 |
ガンマ | 3 |
色温度 | 不明 |
DyAc+ | オフ |
輝度 | 70 |
コントラスト | 50 |
シャープネス | 8 |
AMA | プレミアム |
ゲーム内の暗い所が見えやすくなる、「Black eQualizer」が0なのは珍しい。
AMAは、いわゆる「オーバードライブ」の機能で、電圧を上げて応答速度を速める。これを「プレミアム」にしてDyAc+がオフとは。
Aimbotの「BenQ ZOWIE XL2546K」設定
おそらく、数いる感度800・1.2で最もエイムが良い選手。(Hardeckiもヤバいが。)
この選手のクリップは画面からして見やすいので、設定も要チェックだ。
設定項目 | 値 |
---|---|
Black eQualizer | 12 |
色の鮮明さ | 12 |
ブルーライト軽減 | 0 |
ガンマ | 4 |
色温度 | 赤100 緑100 青100 |
DyAc+ | プレミアム |
輝度 | 100 |
コントラスト | 50 |
シャープネス | 不明。definitionがコレなら10。 |
AMA | 高 |
ガンマは1~5で、数字が大きいほど暗くなる。よって、少し暗め…かと思いきや、まさかの輝度100。
今回取り上げた選手の中でも、トップレベルで発色を優先させている選手。
やっとDyAc+がプレミアムの人が出てきたが、そりゃそうだよな…(動揺)
Lyr1cの「BenQ ZOWIE XL2546K」設定
eUのストリーマーで、戦闘力は世界一レベル。動画に日本語字幕をつけたり、設定やキャラコンの解説動画をあげたりしており、親切なイメージ。日本のアニメが大好き。
設定項目 | 値 |
---|---|
Black eQualizer | 10 |
色の鮮明さ | 10 |
ブルーライト軽減 | 0 |
ガンマ | 1 |
色温度 | 標準 |
DyAc+ | プレミアム |
輝度 | 100 |
コントラスト | 50 |
シャープネス | 10 |
AMA | プレミアム |
めちゃくちゃ眩しくて派手な設定。
DyAc+とAMAが両方プレミアムであれだけ強いので、ZOWIEクオリティの証人と言える。
Aceuの「BenQ ZOWIE XL2546K」設定
Apex黎明期のキャラコン世界一であり、最近もプレデターランクを配信していたりと、高い実力の持ち主。
設定項目 | 値 |
---|---|
Black eQualizer | 10 |
色の鮮明さ | 11 |
ブルーライト軽減 | 2 |
ガンマ | 3 |
色温度 | 薄青 |
DyAc+ | プレミアム |
輝度 | 64 |
コントラスト | 60 |
シャープネス | 6 |
AMA | 高 |
値を眺めるだけで、かなり見やすそうに感じる設定。
DyAc+プレミアムとAMA高は僕も当初からやっている設定。以下の記事によると、“逆残像”が発生するので、AMAは高の方が良いという説も。
※AMAは今までずっと”高”だったので、試しに“プレミアム”にしてみたが、あんまり変わらなかったので、これからはプレミアムにすることにした。
Vor3zの「BenQ ZOWIE XL2546K」設定
RiddleでKaronpeが離脱する可能性があった時に、代理で参加していた選手。
今回の執筆にあたり、初めてキルクリップを見てみたが、Aimbotを彷彿とさせるエイムを持っており、Apexでは極めたキーマウが最も強いことを改めて思い出させてくれる。
設定項目 | 値 |
---|---|
Black eQualizer | 7 |
色の鮮明さ | 15 |
ブルーライト軽減 | 0 |
ガンマ | 4 |
色温度 | 標準 |
DyAc+ | オフ |
輝度 | 61 |
コントラスト | 55 |
シャープネス | 10 |
AMA | プレミアム |
DyAc+がオフで、AMAがプレミアム。
ちょっと説明がつかないので、次章に考察を入れた。
DyAc+オフ→FreeSync Premiumオン説
改めてプロ選手たちのDyAc+オフの理由を考えてみたが、実は、「BenQ ZOWIE XL2546K」には、DyAc+をオフにする代わりに使える機能がある。
それが、「FreeSync Premium」だ。
下記記事によると、「フレームレートがリフレッシュレートを下回りやすい環境なら、G-SYNCやFreeSync液晶を使うことで画面表示がワンランク上のなめらかさを感じられるようになるだろう」との事らしい。
たしかに、モニターのリフレッシュレートは240で固定だが、フレームレートは特に接敵時に下がる傾向にある。
その時の差で生じるテアリング・スタッタリングを解消できるFreeSync Premiumを、プロたちは優先したのかもしれない。
DyAc+とFreeSyncを比較してみた
ということで、実際にDyAc+をプレミアムにした状態と、FreeSyncプレミアムをオンにした状態でランクに行ってみて、比較検証をした。
(FreeSyncは、Nvidiaコントロールパネルでチェックを入れる必要があるので注意。)
結論としては、同じAMAプレミアムの環境では、DyAc+をプレミアムにした方が、近距離で画像がぶれず、中距離でも敵がくっきり見えて強い。
しかし、DyAc+をオフにしているプレイヤーもいる。ここで考えられる理由としては、CPU・グラボの性能の違いだろう。
プロはPCのスペックが高いので、そもそも初めから画面がヌルヌルなのである。そこで、フレームレートとリフレッシュレートのわずかな差から生じる画面のもたつきが気になる。
が、僕のようなミドルクラスのPCを使っている人は、そもそも接敵時(特に近距離)はフレームレートが著しく下がって、敵の姿がぶれまくる。
そこで、黒挿入という工夫で「敵が見やすくなる」という恩恵が大きく感じられるということだ。
反対に、FreeSyncを使うと画質がきれいになるので、画面への没入感が凄かった。もともと良いPCを使っていて、既にヌルヌルの画面の人が、そちらを重視するのも分かるような気がする。
あとは、単に好みの問題だろう。近距離で敵が見やすくなるか、フレームレートとリフレッシュレートを同期させることで、「ゲームじゃなくてもはやリアル?」感を重視するか。
PCのスペックがそこまで高くない人は、少しでも敵の動きを追いやすい方が強いので、DyAc+を強く推奨する。
※プロのPCスペックが知りたい人は下記記事を参照。
まとめ
今回は、プロ達のZOWIEモニター設定をまとめたわけだが、「これが絶対に最強」という設定はないんだなというのが、正直な感想だ。
たぶん、ある程度以上のスペックのPCを使う場合、モニターの設定のどれを使うかとかは、オマケ程度のものなのだろう。
そして、色の鮮明さや輝度・コントラスト等の設定も、好みの問題が大きい。
僕もプロ達が使っている設定を参考にしているが、基本的に彼らの設定は明るすぎるので、コントラストを下げたり、ガンマを5にしたりと、カスタムしながら参考にさせてもらっている。
今回シェアした情報で、読者の方のモニター設定がより良くなると嬉しい。
以上、終わり。
後日談
DyAc+ VS FreeSyncの話だが、DyAcオンで長時間画面を見続けていると目がかなりしんどく、Apexをした後に本を読んだり動画を観たりが出来なくなってきた。(20代後半男性)
なので、OblyやSellyにあやかるわけではないが、僕も今はFreeSyncでやっている。確かに近距離でのヌルヌル度合いは下がったが、普通に歩いている分にはコチラの方が画面がキレイに感じるので、悪くないと思う。
勝ちたい人はDyAc+の方が良いけど、目の健康のこともあるので、両方試してみてね。