『言い訳』・『紳竜の研究』にみるエンターテイナーの成功法

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はいどーも!

今回もお笑いの話題。

M-1の時にこの記事が書けたらよかったんですが、まだブログを始めてすらいなかったので、今書くことにしました(笑)

一応書評記事になるんですが、書籍名は『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』です。

ナイツの塙さん(ヤホー漫才のボケの方)は漫才協会の副理事をされたり、M-1審査員としての的確な分析が評価されているスゴイ方なのですが、その塙さんが2019年M-1グランプリの直前に上梓された本になります。

僕もしっかり読んでM-1に望みました(笑)そのわりに途中から見だしたけど(笑)

で、「じゃあ今回はM-1の話?」と訊かれるとそうではなくて、合わせて引用する予定の『紳竜の研究』(DVD)も含めて、もっと抽象的な話になります。

タイトルがエンターテイナーの成功法ですから(笑)もちろん売れる公式なんか実際にはないんでしょう、ただそれでも考えることには価値があるし、知識の1つとしてストックしておくだけで、なんらかの形で作用してくれるものだと僕は思ってます。

それでは行ってみましょう!

Contents

『言い訳』の内容と考察

さて、問題の『言い訳』なわけですが、まずはどんな本なのか、かいつまんで説明します。

この本は、いわゆるM-1解説本以上の意味があって、M-1の勝ち方以外にも、副題に関東芸人はなぜM-1で勝てないのか、とあるように、東西の寄席の違いや、方言にも言及しております。

ただそこで終わっては新書に合わせて文化的な話もしたな、くらいですよね。僕はこの本が素晴らしかったのは、M-1に数年出場し、決勝に行ったこともあるナイツ・塙がそこまでの漫才に対しての試行錯誤を晒した点にあると思ってます。

補足的にM-1論や寄席の文化、言葉の違いにも触れますが、まずは肝である「ナイツが売れるまで」を見ていきましょう。

結論から言うと、ナイツ、かなり苦労したみたいです(だからこそYouTubeに2年投稿して登録者160人の僕たちにも参考になると思ってます)。漫才って、だいたい歴史を遡ると大きなトレンドみたいなのがあって、その時々で面白いとされる”型”が開発されてきたわけですが、ナイツの2人(塙・土屋)は色々試行錯誤しても中々お客さんに面白いと思ってもらえるものが出来なかったと書いています。

ただ、内海桂子師匠に弟子入りして、場数をたくさん踏んだことによって、この時はウケた、このやり方ではウケない、などいわゆる観客の反応の“データ”が溜まり、徐々に彼らの笑いの取り方(どっちがボケでどっちがツッコミかという基本的なものだけじゃなく、テンションや間など細かいところまで)を掴んでいった模様。

そして最終的にたどり着いたのが、テンション低めで丁寧、ボケがポロっととぼけ、ツッコミも怒るというより諫めるような口調というあのシステム。見事ですよね。ここで面白いのが、オードリーが“ツッコミ間違えシステム”を開発して、若林が売れる予感がして吐きそうになった経緯(後に別の記事で詳しく書きます)と同様に、笑いが取れる(うまくいく)時ってたいてい本人は「これじゃないだろうなあ」と思っているものだったりするということ(笑)

ナイツの場合は後々分析して、主に東西の寄席の構造や言葉の違いによって自分たちの漫才がなぜ機能しているかを説明できるまでに至りましたが、これも自分を知るということによって成せるわけなので、自己認識力の重要性を認識させられます。

ちなみに東西の寄席の違いというのは、関西は漫才がメインなのでお笑いのステージに座布団をひいて落語をするのに対し、関東は落語をする畳の上で靴を脱いで漫才をするので、関西に比べて動きを使いづらいという点でした。そのため声を張るのも難しく、しゃべくりの関西と違い、関東の漫才は”しっとり”と形容されることもありますね。

また、言葉の違いというのは端的に言うと、漫才において関西弁はめちゃ強い、という話です(笑)

お笑いって原理的に言えば、人間が言葉ないし物事の”可笑しさ”に気づいて笑う、というメカニズムだと思うのですが、漫才においてはボケが変なことをして、ツッコミがその”可笑しい”点を指摘するという構造です。そして、関西弁のツッコミは感情がノリやすい。なので、その面白さの伝達能力が桁違いなんですよね。

塙の言うM-1の歴代No1漫才は、2006年に優勝したブラックマヨネーズですが、彼らの漫才を筆頭に、ボケとツッコミが喧嘩するみたいな感情の爆発は、関西弁の十八番。翌年のチュートリアルにしても、徳井さんのチリンチリン語りの臨場感は関西弁ならではの説得力がありました。(台本ではなく本当に思って喋っている、キャラに憑依しているという印象から、憑依系漫才とも言われました)

また、これは非常に理系的な分析の仕方だと思うんですが、関西弁漫才はテンポが速く、1つの漫才に入れられるボケとツッコミの個数がとても多いのも特徴の1つです。本書では例にNON STYLEの漫才を出していましたが、確かに近年でもM-1決勝のミキとか、速すぎてわけわからんな、と思ったくらいでした(笑)

塙のいうM-1漫才の理想系「常に7,8点の笑いがあり、ラストにかけて10点まで盛り上がる」という設計にしやすいのも、テンポの良い関西弁の利点かもしれません。

ちなみに、2019年M-1グランプリの決勝メンバーで関東芸人は2組(だったっけ?)のみで、歴代M-1の優勝者も15組中関東芸人は5組です。(言うほど少なくもないか)

僕自身に関しても、実況を見てもらえればわかるように、関西出身で、標準語で喋ってもイントネーションに出てしまうくらいなんですが、こと実況に関してはその利点を活かせてる気は全くしません(笑)フリートークでも関西弁の方が面白くなりやすいのは、全国区で活躍されている数々の芸人さんたちを見れば明らかなので、僕も自分のスタイルを見つけて面白い実況がしたいですね。

まあ僕達(あにーとオットー)の場合、お笑い芸人ではなくゲーム実況者なので、そもそもボケとツッコミを決めること自体も、正しいアプローチなのかどうかわかりません。ただ、伸びている2人組の実況者を思い浮かべると、やはりある程度の役割分担をしている印象はありますね。そのあたりの分析について、また記事を書くかもしれません。

『紳竜の研究』内容と考察

さて、ここまで『言い訳』について書いてきましたが、ここからは『紳竜の研究』について話していきましょう。

「紳竜の研究って何?」という方のために少し説明しますね。

紳竜の研究とは、島田紳助さんがNSC(吉本の芸人養成所)でこれから売れたい芸人志望の若者に向けて行った、“伝説の講演”をDVDにしたもので、サンドウィッチマンの伊達さん曰く、「これさえ見ればM-1の準決勝に行ける」とすら言われる最強の作品です。

かなり古いもので、動画サイトでもかなり再生されているようだったので(現在は削除されているかもしれません)興味のある方は検索してみて下さい。ただ、一応著作権を考慮して、ここには商品のリンクを貼っておきます。

この島田紳助さんの講演ですが、その教えの全てに言及すると、膨大な量になりますし、記事の趣旨ともズレますので、興味がある人は各人で視聴するとして、ここでは要旨や僕なりの解釈を書いていくことにします。

大事な点は大きく2つで、1つ目は自分の才能を知れ、2つ目は世間の波を知れ、です。1つ1つ見ていきましょう。

自分の才能を知れ

まず、自分の才能を知れ、という話ですが、まず紳助さんは人間の能力は2つの要素でできていると言います。それが、才能と努力。才能が5点満点、努力が5点満点、かけて25点満点

ここで掛け算にしている所がさすがだなと思うのですが、確かにどちらかがゼロなら結果もゼロですね(笑)この話は努力しろ、というよりもまず才能が5点の分野を探し出せ、というように聞こえました。これと決めた分野で5頑張るのは当たり前ですからね。

やっぱり今の世の中色々な分野で先駆者がいて、努力しても上には上がいるような状況ですよね。あらゆるフィールドで勝者総取りの環境が広がっていて、2位以下じゃその他大勢と同じになってしまいます。

特にビジネスで考えると分かりやすいのですが(そして僕がやっているYouTubeやブログも、本人がどういうつもりでやっているかは関係なく、ビジネスだと思って参入してきている人達がいる以上、それを差し置いて見てもらおうと思えば同じくビジネス的な観点で考えざるを得ません)、例えばAmazonみたいなサービスって今Amazon以外使ってますか?強いていえば楽天があるくらいですよね。セカンドハンドのアプリもオールメルカリ、人によってはヤフオクもあるかなくらい。1位が全て持っていくとは、そういうことです。

僕のやってるYouTubeのゲーム実況でも、めちゃ好きな人でさえ同時には5人も見てないと思います。ということは、誰かの最低トップ5には入らないといけない、登録だけしてもらうにしてもトップ10,15には入りたい、そういう過酷な世界です。そんな場所において、20/25点に価値があるのか?本人が楽しければとやかく言うことじゃないかもしれない。でも見てもらいたいなら、最低でも自分自身は25点だと思える、そんなものを作りたいですね。

(ただここで、insightの書評に書いたように、自身を甘く見積もってしまう人々が後を絶たない問題もある。僕自身も今冷静に考えると、元々持っているものに関しては、ゲーム実況より”書くこと”の方がおそらく大きいでしょう)

世間の波を知れ

島田紳助流売れる人の考え方、2つ目は世間の波を知れ。この話だけで1つ目の話も飲み込んでしまうんですが、あえて分けて書きます。

まず、売れるにはXという要素とYという要素を知らないといけません。そのXが自分が何ができるかで、Yが世間で今何が求められているか。その前の25点の話で自己分析の大切さ(=X)は身をもって教えられているわけですが、ここでもう一押し来ます。売れるなら、何がおもろいと思われるか(=Y)わかっとかなあかんよ、と。

早い話、すごく高度な事をやっていても、その凄さが理解されなければ少なくとも経済的、人気的にはあまり意味がないわけです(繰り返しになりますが、本人が楽しければいいという考え方ももちろんあります)。そして、もっと言うと、たくさんの人に支持されるものって、多分純粋なクオリティとして1位のものではないです。なぜなら、人気なもの=多数派の支持を得るもので、多数派=平均周りの人々だからです。

昔(てか今もか?)ウェーイ系とかイケボの実況者がもてはやされていた時期があって、僕は「声がかっこいいわけではないけどすごく時間をかけてめちゃ分かりやすい解説動画をあげている人より、実況者同士で馴れ合ってイケボでウェーイする方が伸びるってなんでやねん!」とか思っていたんですが、それも裏を返せばウェーイ達はウェーイへの需要を理解して、高度なものが作れるにも関わらずウェーイしていた、とも取れます。

逆に前者が好きなタイプは少しオタク気質というか、ちょっとつっこんで書いてしまうとあんまりモテない感じの(笑)(←何が(笑)って僕が完全にこのタイプ笑)オタク男子のイメージなので、人口としてはライト層よりもどうしても少なく、コアなファンにはなってくれても数字的には伸びづらい、と考えることもできます。全力だしてこだわりの動画出すよりも、ちょっとバカになってイケボ加工&ウェーイの方が伸びるから、結果そっちのが賢い説、というわけですね(笑)

実況黎明期と違って、今やゲーム実況見てるってだけじゃ全然オタクじゃないですから、自分がどの層と仲良くなれそうか(気に入って見てもらえるか)を考えるのは有意義な視点かもしれません(なぜなら、ゲーム実況視聴者は少なからずゲーム実況者を疑似的な友人として見ていると思うからです)。

僕個人としては、ちょっと暗めのオタクだけど物知りでこだわりがある人たちが好きなので、「こっちはヌルゲーマーやのに、バリバリ細かいコメントしてくるやん」みたいなのもバリバリ待ってます(笑)ただ、オットーとの2人実況に関しては、全然ウェーイもいけますね僕らは(ほんまかい)。ただよくばると4ぬので、やるにしても、もっと企画等を練ったほうがいいのは確実です(笑)

だめだ、気を抜くと実況の話になってしまう!とはいえ、紳助さんの話はとても説得力があり、何度も見た方がいいくらいのクオリティなので、ぜひチェックしてみてください。特に、紳竜漫才の誕生エピソードに島田紳助さんのぐぅ有能エピソードが詰まってます。

なんで『言い訳』と『紳竜』をピックアップしたの?

・・・まあここまで来るとわかるとは思うんですが、前半で書いていた塙の『言い訳』レビュー、その「ナイツが売れる過程」が、この島田紳助さんの教えを上手いこと応用した良い例になっています。

彼らの才能云々は分かりませんが、塙さんは今まで数千本のネタを書いてきた方(小学校でお笑いに目覚め、そこからの人生の自分のアイデンティティは面白くあることだった、という書き方をされていました≒一万時間の法則)ですし、土屋さんもアメトークのスターウォーズ芸人で初リーダー、最近だとYouTubeにもユニークな動画を投稿されていますね(各々別の方向で努力をされている)。また、ヤホー漫才は検索エンジンが当たり前になってきたタイミングでよく見つけられたなというネタでした(時事ネタという”Y”)。

紳助さんも言っていましたが、売れてる人は言わないだけで、当たり前の如くこのような思考の流れを経て自分の売れ方を編み出し、またそれを日々ブラッシュアップしている。そう思ってテレビを見ているとまた新しいことに気づけそうです。

(有吉さんがいつのまにか“あだ名芸”をやめたことに気づいていたでしょうか?そしてそれを最近やっているのが、EXITの兼近だということも)

おわりに

というわけで、今回はお笑いの話をガッツリ、そして実況の話もやっぱり少し入りました(笑)ちなみに言っとくけど、いっつもこういう、どうやって売れるかみたいなのを考えてるわけじゃないよ!(笑)今はこれまで考えてきたことをブログに書き溜めておく時期だと思ってます。

振り返ってみると、考えただけでその後活かせてないなあという気づきが山ほどあるので、少なくともこれを読んでいる人には、今頑張ってることに何らかの形で貢献できるような記事を届けていきたいなあ。

読んでくれてありがとうございました!

たまにはゲーム実況も見てね!
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