配信に使うオーディオインターフェイスとして、コスパに極めて優れていると有名な”MOTU M2″・”SOLID STATE LOGIC SSL2″を試してみたが、結論を言うとAG03/06で充分、というかAGの方が良かった。
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やはりマイクの音質にこだわりだすと、比較的初期の段階で気になりだすのが、オーディオインターフェイスのスペックだ。
特にYAMAHA AGシリーズは、配信に鉄板と言われているだけあり、オーディオオタクたちの間では「そこまで良くない」「良いマイクにこのオーディオインターフェイスはもったいない」と言われがちである。
しかし、実際に上記２つのオーディオインターフェイスで声を録ってみたり、非公開で配信してみたりしてアーカイブを確認したが、結局しゃべりの媒体では、音質の良さが正義ではない。
たしかにMOTU・SSL2とも実際の声に近い音質になっており、特にSSLは自然な録れ感で、自分の本質的な声質が最も顕著に出ていると思った。(MOTUも解像度は上がっているものの、好きな音質ではなかった。なんか音がギリギリしている。)
だが、実際にしゃべっている媒体を聴いてみてどれが「良い声に聞こえるか」というと、これはAGなのだ。なぜなら、良い声かどうかは聴いていて心地よい周波数かどうかであり、話者の本来の声がダイレクトに反映されているかどうかは関係がない。
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例を出そう。
まず、女性配信者世界１位を取り、個人的にも好きな兎田ぺこーらだが、機材を調べてみると最強オーディオインターフェイスである”Babyface”が出てくる他、去年の配信ではデバイス紹介でAG03を紹介していた。
ここで個人的な耳での感触なのだが、ぺこーらの配信は一時期リップノイズがかなり乗りやすくなっており、「こんなに聴こえて良いの？」と思っていた時期があった。しかし、最近の配信ではそれがなくなっており、おそらくだがAG03に戻したのではないかと思われる。
彼女は元々の声質が天才的なのでインターフェイスで声のキャラクター性を損なう事は全くないが、不要な音も拾ってしまうという点で、Babyfaceは配信には不要だったのだと考えている。(それかリップノイズ排除の設定をかなり強めたか)
音楽のボーカルに使わない限りは、高いオーディオインターフェイスは必要ない。
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別の例。
弟に聞いたのだが、有名実況者のガッチマンさんも、一時期Babyfaceに乗り換えたものの、リップノイズがのりすぎて視聴者に不評で、元のインターフェイス(それが何かは知らないけど)に戻したらしい。
これもぺこーらの例と全く同じで、会話媒体の目指すところはラジオのような人の声が聴きやすいチューニングと、要らない音が全く入らないようにするという点だ。
ここでは後者の具体例を出したわけだが、前者についても、マイクの音質を考慮して配信では国内外問わずSHUREのSM7BかMV7が選ばれやすいという結果に繋がっている。
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そして最後に、MOTU M2とSSL2のもう一つイヤだった点が音が割れやすいという点だ。
僕の使用マイクはSM7B＋Cloudlifterだが、MOTUとSSLはプリアンプなしでもSM7Bがイケるという情報があったのにも関わらず、僕の使い方では興奮した時に声が割れていた。
これに関しては収録しかせず後でボリュームを上げる人には関係ないが、タイトルの通りこれは配信に関しての記事であり、配信の声はマスタリングしてある動画の音声レベルとは行かずとも、それより少し小さいくらいには大きくないと、視聴者側に音量調整のストレスがかかる。
総合的に見て、AGではピークとゲインのそれぞれのつまみで調整できるので音割れを防ぎやすい一方、これらのコスパインターフェイスでは必要なボリュームまで上げると割れやすく、かといってあまり下げると音量が低くなってしまった。
この点でも、僕はAGがオススメである。マイク音質もなんだったらちょっと解像度が減るおかげで良い声に聴こえやすいし、とにかく不自由がない。
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おっと、付け加えておくと、リスニング用途でも僕はAGで問題ないと思った。
SSL2はSSLの音になってしまうなという感覚があり、合っているかは知らないがAGに比べてドンシャリ感があった。
MOTUは「マイクの音質が抜けている代わりにリスニングは普通」という情報があり、たしかに特に何も思わなかった。
しかし、元々AGの音で慣れている自分からしたら音質が良くなった・より好きな感じとはならず、結局リスニングでもAGの方が良い。
これらのレビューはリニューアル前、つまりMk2になる前の機種での話であり、とどのつまり、みんなあまりYAMAHAをなめない方がいいよ。
(Mk2ではUSB-Cになって電力が上がり、少し音質が上がっていると書いてあるものの、ほぼ変わらないという声が多い。にしても、こんなに古い機種でここまでのクオリティがあるYAMAHAは世界に誇れる企業だ。)
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「ボリュームを上げるとホワイトノイズが～」とか言う人がいるが、今の時代誰だってOBSでRNNoiseをかけるんだから、関係ない。
もちろん、歌ってみたとかをやるなら話は別だ。歌ってみたならAGはオススメせんね。でも、配信ならマジでこれで充分というかこれが一番良い。
結局、釈迦さんが売れた時点でのセッティングがSM7B＋Cloudlifter＋AG03/06で、これが最適解。変に自分のセレクションにこだわるなら、音量バランスやその他マイキングに労力を割くべき。
これがEarth Works EthosやTLM102・SM58を持ってる人間の感想です。
以上。
※ちなみに、MOTUもSSLも、売ったりちょっとした不備があって返品したりで、もう手元にはない。
