バトルロイヤル史上最強の面白さ!『Apex Legends』にハマった話【脳科学・心理学】

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はいどうも。

最近僕がめちゃハマってるゲーム、『Apex Legends』っていうFPSゲームなんですが、Twitterで未曾有の大ブームを巻き起こしている事もあり、気になる人も多いのではないでしょうか?

今回は、現在200時間弱プレイした僕が、端的に、『Apex Legends』の何が面白いのかを、プレゼンしていきたいと思います。

この記事を読んだ人の中で、たった1人でもエーペックスを始めてくれたらうれしいですね。(調べようがない)

それでは早速、スタート。

Contents

1.ゲームスピードにおける脳科学的考察

Apexに少しでも興味のある人は、個性的なキャラクターや特殊能力、武器などの話をよく聞くと思います。

しかし、これがApexが成功した直接的な原因かというと、僕はそうは思っていません。

Apexがずば抜けて面白い、とりわけバトルロイヤルというジャンルの中で群を抜いて人気があるその理由、それがゲームスピードです。

僕はPUBGは自分でプレイしたことはないものの、プレイ動画は相当量視聴しましたし(幕末志士さんとか)、スイッチやPS4でリリースされてヒットし、現在もApexに勝るとも劣らない(たしかプレイ人口だけで見ればApexより上)であるフォートナイトは、プレイした経験があります。

その2つと比べてみて、Apexが明らかに秀でている部分、それがゲームスピード。

マップの大きさに対してキャラの足が速いという単純な問題だけでなく、斜面で永続的な高速移動ができるスライディングの爽快感(平地でも速くなる)、そして半数ほどのキャラが比較的短いクールタイムで使える移動スキル。

これらにより、まずこれまでのFPSでは考えられないほどのスピード感を一人称視点で体感できます。

さらに、その速さがもたらすのが目まぐるしく変わる試合展開

通常のバトルロイヤルでは、飛行機から降り、各自物資を調達し、徐々に狭くなっていくバトルフィールドで自然と接敵し、交戦を開始します。

そこはApexでも同じですが、先述のスピード感によりその展開の速さが段違い。体感ですが、試合が開始してしばらくしたら、もう半数ほどのチームが脱落している事も少なくないです。

これにはもちろん、バトルロイヤルで問題になっている、「着陸位置が被って即戦闘し負けるとすぐ終わってしまう」というケースが一定の割合で存在するという、ルール上避けるのが難しい問題もあります。

ですが、Apexに関してはキャラの能力やシールド(生身の体の上につける防具のような物)のおかげもあり、交戦を拒否する姿勢があれば、即脱落は防げる例も多いです。

(シールドだけでなくダウンのシステム、リスポーン制度は、キャラの寿命長くすることで、死んだら終わりのバトルロイヤルでも楽しめる機会を得られる確率を飛躍的に上昇させています)

このように、スピード感とそれにより確率的に高まる理不尽なデスの回避を両立しているという点で、Apexのシステムは評価されるべきだと思っています。

(Apexでもすぐ4んじゃうから、そこまで褒めることでもないよという方もいると思いますが、僕個人としては注意を払えばほとんどの初動4は防げます。

「引くことを覚えろ」「飛行時に右クリックで周り見ろ」等の格言もアリ。)

ところで、なぜ私がここまでゲームスピードを重視するのか。

それは単純にプレイしていて気持ち良いというだけの事ではありません。

Apexは、少し前めちゃくちゃ流行ったジャンル「ソシャゲー」と同じ「基本プレイ無料」のゲームです。

タダにも関わらず、企業は莫大なサーバー費を払い、細心の注意を払ってゲームバランスを整えつつ、プレイヤーを飽きさせないよう常に目新しい要素を供給し続ける。

その理由は当然、ハマったプレイヤーが相応の金銭を落としてくれるからに他ありません。端的にいうと、パチンコ等と同じ中毒症状を利用したビジネスです。

だとしたら、このゲームのどこにそのような中毒性、イコール「脳への好ましい刺激」があるのか。その根本となる要素がゲームスピードなのです。

もちろん、勘違いしないでほしいのは、このような撃ち合いのゲームの前提として、敵をキルした時の興奮、また、バトルロイヤルでいうと、最後まで生き残って『ドン勝』や『ビクロイ』を獲った時の興奮、それが一番大きな脳への報酬である事は間違いないです。

ただ、それだけではゲームは(爆発的には)ヒットしない(し、キルが楽しいのは他のバトルロイヤルも同じ)。

なぜなら、ゲームのヒット(=たくさんの人にプレイされる事)を支えるのは、敵をキルしたり生き残ることが日常的にできる、割合的に多くない中級者以上のプレイヤーではなく、それより少し技量の劣る、いわゆる”カジュアルに”楽しむプレイヤー達だからです。

彼らは多くの場合、最初の内思うように敵をキルすることができません。特に初めてFPSをプレイする人達にとって、同じ人間に対して時間当たり、相手より多くのダメージを与えるのは簡単な事ではありません。

それでも、彼らはApexに熱中し、うまくなっていきます。

なぜなら、

①先述のゲームスピードにより、一定の確率で(あまり)交戦しなくても半分以上の順位になることができ、「始めたばかりでも生き残れてる!自分うまいかも!」という錯覚で自信をつけ、次のプレイをやってみる気になる。

特に、ベスト3,5くらいにつけられた時の興奮は大きく、次は1位を獲れるかも?という期待感に繋がる。

②同じく上述のゲームスピードは、そもそもキャラを素早く動かせるという事で、それは視覚と聴覚への情報の流入がかなり速く、それ自体が脳への刺激になる。

特に視覚の面でApexの画質はかなり高く、キャラクターのスキンやステージだけでなく、武器や弾薬にまでかなり目を引く配色が設定されている事で、この記事でいうところの『正の強化』(ある行動=ゲームプレイの結果として好ましい刺激が与えられることで、その行動が増加すること)を引き起こす。

これら①②の理由で、彼らは初心者でありながら多大な脳への刺激を受け取り、中毒を起こすという構造です。

さらに、ひとたびハマれば誰でも上手くなりたいので、今の時代動画やサイトを調べたり練習を重ねてうまくなり、本来のキルやチャンピオンというバトルロイヤルにおける最大の脳内報酬を手にすることができるようになっていく。

これがApexの強さです。中毒の構造が一枚岩ではない。

1.5. SNS社会におけるゲームの巧拙と承認欲求

さらにいうと、対戦ゲームはある程度のプレイ人口以上になると、「上手い人間が賞賛される」という風潮ができていきます。

これはFPSやバトルロイヤルに限らず、ポケモンバトルやカード・レースゲームなど、日本では主に任天堂が作るオンライン対戦ゲームだったり、海外だと大きな大会が開かれたりして賞金がつくようなゲームは全て「強い人はカッコいい」という雰囲気が少なからずあります

(これらのゲームがeSportsと呼ばれ、プロゲーマーという存在が生まれたのは、もう最近の事とも言えませんね)。

また、大会に出るようなガチ勢じゃなくても、単純に動画投稿やゲーム配信をする人々にとって、多少うまくないと視聴者を楽しませられないという問題も、昨今は出てきたように思えます。

(例えば僕の好きな加藤純一さんも、Apexにハマりはじめた際は、特筆して上手いわけではなかったので、他のゲームをやってほしいという声が少なからずありました。今ではめちゃくちゃ強くなってキルしまくっていますが笑)

そして、この流れは個人のSNSにも当てはまります。僕も最近Apexが好きだという共通点でツイッターにて相互フォローさせて頂いている方が増えましたが、やはり「上手くなりたい」という声はもちろん、「〇〇さんは上手い、強い」という声もたくさん流れてきます。

SNS時代とは、そのまま承認欲求の時代。そういうわけで、一種のステータスとして、高ランクで戦っている事をプロフィールに書くような事も一般的になっている気がします。

(代行をしてもらって無理やりそのような強さの証明を手に入れるのは、少しやりすぎな気がします。少なくとも、臆面なくプレイの様子を見てもらったり、誰かと一緒にプレイすることは絶対にできなくなりますよね汗)

あと、実はここでもゲームスピードがプラスに働いていて、これらプロゲーマーや配信者、個人のSNSが何を見せるのかというと、「動画」なんですよね。

見た目が派手で、スピードが速い。初見だと何をやっているのかちょっと分からない、でもなんか凄そう。これくらいの印象が、逆に興味を引き立てる要素になっている気がします。

1章のまとめ

・Apexが面白く、かつ流行っている理由として一番大きいのが、脳への多大な刺激を喚起するゲームスピード

・流行っているゲームだからこそ承認欲求の成就に利用される。つまり、流行っているからこそ余計ヒットするというインターネット特有の現象

少し生々しい話になってしまったので、ここからは皆がよく聞くようなApexの面白い部分を僕なりの言葉で解説していきましょう。

2.キャラクターと能力における心理学的考察

(画像:きききのゲームブログ様)

Apexが面白い2つ目の理由、それが個性的なキャラクターと多彩な能力。

(1章でも真っ先に思い浮かぶ要素として挙げました)

最近ではシーズン5に入り、新キャラ『ローバ』が参戦。

これまでの戦いに新しい展開や組み立てかたを生み出しただけでなく、既存のキャラクター達との関係性、ストーリーにも大いに注目が集まっています。

また、これまでの12人のキャラクターたちのバランスも調整され、EA(Electronic Arts=Apexを開発している企業)がみんなを楽しませるために、常に上を目指していることが伺えます。

さて、このキャラクターと能力。まず当然のこと、好きなキャラクターで固有の能力を使うのは楽しい。(能力バトルが面白いのは漫画やアニメでも証明されています)

ですが、私は今回、少し違う方向からプレイヤーの楽しみについて書いていこうと思います。

(このキャラにはこんな能力があるよ!なんて調べれば出てくるので、このブログで言う事ではないと思っています笑)

突然ですが、アドラー心理学では、「人間が最も幸福を感じる事ができるのは、他者に貢献した時である」としています。

これは有名な「全ての悩み、そして幸福は対人関係から起こる」という同学問の言説より導き出されたもので、この考え方は「もし仮にこの宇宙で人間、いや生物が初めから自分1人だったなら、一切の感情の変化というものは起こりえない」という推論をベースとして考案され、一定の信頼がおけるものです。

(アドラー心理学に関しては別に記事を書くつもりです。ここでは一旦この定義が正しいとして話を進めます)

翻って、この『Apex Legends』において、試合は基本的に3人1組のチーム制。少し縮小したデュオ(2人チーム)もありますが、ソロプレイはできません。

これはEAが「他のプレイヤーと協力する事」を重要な要素としてこのゲームを開発したからですが、その、チームでの活動をPUBG等の他のバトルロイヤルと全く別の次元に持っていったもの、それがキャラクターと能力なのです。

単純計算で考えてみても、シーズン5時点で13人から被りなしで3人チームを組むと、13c3で286通り。マップが2つあり、使用アイテムや使用者の習熟度など考えるとパターンと呼べるものが成立しえないほど無限の試合展開が期待できるのは明白です。

(これに関しては反論もありそうですが笑)

ただ、これはあくまでも数字の話。キャラクターと能力がプレイヤーに与える楽しさの本質、それが「チームへの貢献」です。

EAが巧妙なのは、敵をキルするだけでなく、チームへの貢献をも評価するシステムを作ったこと(例:キル数だけでなく、ダウンした仲間を起こした回数や退場したチームメイトを復活した回数もカウントされる、など)。

明らかに彼らは、人間の”貢献欲”を前提にこのゲームをデザインしています。

他にも例を出すと、キャラたちの能力は自分自身を活躍させる、というよりも「チームを勝たせる」ためのものがとても多い。

(というより、設計上仲間としっかり協力するプレイスタイルが明らかに強く、これは個人の力で試合を覆せるものではない。つまり勝つために貢献、協力せざるを得ないようなゲームにしている。)

特に、チーム全体の移動効率を上昇させたり、仲間を守り回復するスキルはどのチームにおいても機能しやすく、それらを持つキャラは鉄板メンバーとして認められています。

また、自身にしか適用されない能力の持ち主はあまり強すぎないような調整をされています。

これは、プレイヤーたちにチームに貢献するという行為を通して、仮にキルやチャンピオンを獲るという目標が達成できなかったとしても、前述のアドラー心理学における人間の「他者への貢献による喜び」を感じてもらうことで、ゲームの娯楽性を底上げしていると考えられます。

(そもそもバトルロイヤルで1位を取れるのは、極めて少数で、Apexでいうと3/60人。飽きずにプレイしてもらうためには、中々勝てなくても楽しんでもらえる構造が必要なのです)

実際の試合を振り返ってみましょう。

初心者上級者関わらず当てはまる事として、キルした時やチャンピオンを獲った時はもちろん嬉しい。

ですが、ギリギリの状況でダウンした味方を助けた時、チームがより良いポジションで戦えるように移動スキルを使った時、自キャラの能力で有用な情報を得て味方に共有した時など、貢献という形でプレイが楽しくなる、または自己重要感を得るというシーンが、みんなにもあったのではないでしょうか。

つまりApexは、バトルロイヤルという形態でありながら、貢献という行為を通して、1位を獲れなかったとしても楽しめるゲームなのです。

2.5 オンラインゲームにおけるネットマナーの啓蒙

また、このゲームの本質の1つである「チームへの貢献を通して他者と協力する」をより直感的に理解できるのが、シグナル機能

Voice Chatを繋いでいないプレイヤー同士でも一定量の意思疎通ができることで、チームに自分の意図や状況を伝えるという機能的な側面はもちろんのこと、見知らぬ人の善意を知ったり、ひいてはネットの向こう側の人も自分と同じ人間で、だからこそ節度ある行動をしようという、オンライン社会だからこそ学ばなくてはならないものが得られると思います。

(当然僕個人や他のプレイヤーがそれらを、すべて完璧にこなせているとは微塵も思いません。こないだもバナーになったプレイヤーに「復活させろ」とさんざん急かされた挙句切断されました。ですが、日々学ぶ事もまた、人生の醍醐味です。人にされた行為で自分を改めるという機会も訪れます。)

Apex Legendsはこれまでのネット社会で重要とされてきた、回線の向こう側の人とどう付き合うか、というモラル的な側面をも考えさせてくれます。

ただ、それだけではない。医療が発達すればするほど、最終的に人類に立ちはだかる、「感染症」という問題がある限り、オンラインという場所の意味合いは今後もずっと強化され続けます。

このような流れの中で、ネットだからこそ他者貢献を意識する、というのは、もはやベーシックともなってくる考え方、生き方のスタンス。これを学ぶ素材にすらなりうるというのが、Apexに対する私の見解・期待です。

「Apex民って民度高いよな」そう言われるようなコミュニティになっていきたいね!

2章まとめ

・Apexは通常のバトルロイヤルと異なり、1位になれなくても面白い。それはアドラー心理学を証左とする「他者への貢献による喜び」を体感できる、協力を前提としたゲームデザインのおかげ。

・シグナルやチャットの一般化により、以前よりゲーム内コミュニケーションの濃度が高まった。だからこそ1人1人がモラルのある使い方をしよう。ネットマナーはこれからの時代の常識だ。

おわりに

そんなわけで、好きなゲームについて語るはずが、なんだか堅苦しい記事になってしまいました(笑)

僕が普段からこういう事を考えながらプレイしているかというと、もちろんそんなことはなく、ただただうまくなってバシバシ敵を倒したい、という想いも常にあります(笑)

ですが、ゲーム実況者をやっといてなんですが、僕が特定のゲームにめちゃハマる、ということはあまりなく、そういう意味でなぜApex?という事を今一度深く考えてみました。

すると、脳への刺激と貢献による幸福、という2つの要素、そして現代のテクノロジー社会と人々への影響力が浮かび上がってきたというわけです。

まあ、ごちゃごちゃ言うより無我夢中で楽しみ、その先の事はあまり考えない、というのも僕の課題の1つですので、この記事はこのあたりにしておきましょう(笑)

次の記事もお楽しみに!

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