前回、オーディオアンプがなくても無料でイコライザーを導入し、足音を聞きやすくする方法について解説した。
しかし、「実際無料イコライザーって足音聞こえやすくなるの?」と疑心暗鬼な人もいるだろう。
また、あの方法を試してみて足音が聞こえやすくなった人は、「アンプを入れるとさらに聞きやすくなるのか?」と本格的に導入を考えているかもしれない。
そこで今回は、無料イコライザーとオーディオアンプ「Astro Mixamp Pro TR」、そして、何も音をいじらないデフォルト状態で、足音の聞きやすさを比較してみる。
手持ちのイヤホン・ヘッドフォンを、上記の3つと組み合わせ、どのパターンが最も足音が聞こえやすいのか、また、一番コスパの良い環境はどれか、結論を出す。
アストロや無料イコライザーはデフォルトと比べて足音が聞きやすいのか? また、アストロや無料イコライザーと相性の良いヘッドフォン・イヤホンはどれか?
読んでいただければ明らかになるはずだ。早速やっていこう。
足音の聞きやすい「イコライザー・デバイスの組み合わせ」比較表
実験内容
概要
各組合せにおいて、カジュアルトリオに5試合ほど参加し、足音の聞こえやすさを比較した。(もちろん、ある程度足音を聞く機会があった試合のみをカウントした)
評価は、僕自身が行うのではなく、弟に行ってもらった。
これは、僕の音楽経験だったり、長年の英語学習による高周波数の聴き取り能力のせいで、特に何の訓練もしていない人にとって、参考にならないデータとなるのを防ぐためだ。
使用ヘッドフォン・イヤホン
ヘッドフォンはアストロ付属の「A40 TR」の他、FaideやShivFPSが使っている「HyperX Cloud II 」を使用。
また、イヤホンにはAceuが使っている「Apple EarPods」、スタヌ・Crylix・Cheekyが使っている「SHURE SE215」を使用。
使用イコライザーと設定
使っている無料イコライザー、「Realtek Audio Console」「Equalizer APO」と設定について知りたい人は、前回の記事を参照。
アストロのイコライザー(5バンド+α)は、前回紹介した設定(10バンド)ほど細かくできないので、使ってみて最も良かった、以下の設定を採用した。(つまり、全く同じEQ調整ではなく、それぞれのベストセッティングでの対決)
(引用元:「【ASTRO MixAmp Pro TR】入れておきたいおすすめイコライザー設定を紹介!」by NEKOTATE BLOG)
ただ、アストロとCloud IIの組み合わせのみ、最適化された個別設定があったので、そちらを使用した。
(引用元:「MixAmp Pro TRのヘッドセットごとのイコライザと音質」by FPS酒場
これが足音の聞きやすさ比較表だ!!!
組み合わせ | 総合評価 | コメント |
---|---|---|
Astro Mixamp Pro TR×A40 TR | 一番敵の位置が分かるが、ヘッドフォンが重くてしんどい | |
Astro Mixamp Pro TR×SHURE SE215 | 足音の方向・音量ともに申し分ないが、イヤホンを長時間使うと耳が痛い | |
Realtek Audio Console×Cloud II | ↑に比べて足音の方向で劣るが、すこぶる優秀 | |
Realtek Audio Console×SHURE SE215 | 足音と他の音が判別しにくい面もあるが、音が大きく聞きやすい | |
Astro Mixamp Pro TR×Cloud II(個別設定) | 個別のイコライザー設定でなければ、★2.5程度 デバイスの相性が悪そう | |
イコライザーなし×Cloud II | 索敵に最低限欲しいレベルの聞こえやすさがこの辺り | |
Astro Mixamp Pro TR×Apple EarPods | ヘッドフォンで聞こえていた中・近距離で聞こえない時がある | |
Realtek Audio Console×Apple EarPods | イコライザーなしEarpodsと比べるとかなり改善、↑よりわずかに劣る | |
イコライザーなし×SHURE SE215 | Earpods単体よりは足音が大きく感じる程度 | |
イコライザーなし×Apple EarPods | 敵と近くても足音が小さいので遠い感じがする |
足音の聞きやすさ・比較結果
最も足音が聞こえやすい組み合わせ
「Astro Mixamp Pro TR」と付属の「A40 TR」の組み合わせは、やはり明らかに聞きやすい。製造元が同じなので相性が良いのだろう。が、A40 TRは重いので、長時間装着するのがしんどい。
また、アストロ×イヤホン「SHURE 215」がめちゃくちゃ聞きやすいことは発見で、おそらく使用しているプロ・ストリーマーも多い組み合わせだ。しかし、合わせて25000円程度なので、コストが高め。
コスパ最強の組み合わせ・オススメのヘッドフォン
そこでオススメなのが、無料イコライザー「Realtek Audio Console」とヘッドフォン「HyperX Cloud II」の組み合わせ。上記2組からは少し劣るが、ほぼ遜色ない聞きやすさだった。
Cloud IIが1万円を切るヘッドフォンだということを加味すれば、間違いなく最もコスパが良い足音環境である。
逆にアストロミックスアンプ×CloudⅡが微妙だったことから、やはり相性の問題は大きい。
ヘッドフォンのメリット
また、全体の傾向として、イコライザーやサウンドカードの有無より、まずはイヤホンをヘッドフォンにすると、確実に足音の聞きやすさが向上することが分かった。
これは、耳を覆い、ゲーム内の音の方向に近いスピーカーから出音することで、敵のいる方向が分かりやすくなるからだ。
オススメのイヤホン
また、イヤホンを使いたい場合は、最低でもゲーミング用途のものを使い、無料のものでいいのでイコライザーを入れるべきだ。
ゲーミング用のイヤホンであれば、ドライバーが高品質なので、環境によってはヘッドフォンと変わらない定位感を得られる。
比較表からお分かりの通り、「SHURE SE215」なら、無料でもイコライザーを入れる限り、比較的高水準だ。プロが使っているだけはある。
ただ、SHUREのイヤホンは付け心地が特殊で、耳の穴が痛くなる人もいる(僕たち兄弟ともに)ことを覚えておこう。
ゼンハイザーの商品について
僕が所有していないため今回扱えなかったオーディオアンプで、おそらくかなり良い商品を紹介しておく。
プロゲーマーが使用していることで有名な「Sennheiser」のサウンドカード・ヘッドフォンだ。
まず、サウンドカード「GSX 1000」は、SPYGEAやまろんが使用しており、後継機の「GSX 1200」も出ている。
が、Amazonの評価は意外とかんばしくなく、ヘッドフォンの方が優先順位は高い。
ヘッドフォンの型番は、「GSP500」と「GSP600」。
プロが使用しているのは500の方だが、600はレビューによると、「Astro Mixamp Pro TR」との相性がすこぶる良いらしい。
付け心地が独特で好き嫌いが分かれるらしいが、「Realtek Audio Console×GSP500」などは、試してみたい組み合わせだ。
いずれ購入することがあれば、比較してみよう。
今回は以上だ。