頭が良い人は、知覚力が高い【知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法】

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今日は、久々に書評の記事を書いてみる。

ゲーム実況を一旦置き、本格的に物書きとして活動しようと思った時、最初に気になったことは、ネタをいかに確保するかという事だ。

このブログは、特定のテーマに絞って書く形式ではなく、僕が生活の中で何かを経験し考えた事の中で、読者にとってもためになる事を書いていっているつもりだ。

しかし、普通に生活して普通に考えただけでは、面白い視点の文章を書くことはできない。それはつまり、読む価値のあるブログが作れないということだ。

自分の書く才能を疑うことは全くない僕(後に触れる自信過剰バイアス)だが、一度、良いコンテンツを継続的に届けられるだけの能力を解明し、それがあると自信を持って言える状態になりたいと思った。

今回は、そんな僕が、「継続的に記事を書いていくために何が必要か」を突き詰めて考えていった時、結論として出た知覚力、それに関してかなり深堀りしている珍しい書籍について、細かく解説していく。

ブログやその他書き物を書いている人はもちろんのこと、異性と映画などを一緒に鑑賞した際に、ちょっと思い付かないような感想・考察を述べて、センスが良いと思われたい人なども参考になると思う。

後に詳しく書くが、知覚力を高めれば、絶対に”凄い”人になれる。成長するペースが段違いだからだ。その意味で、きっと人生全般の攻略にも役立つ。

ではやっていこう。

Contents

書籍紹介

「ブログに良い記事が書ける」そう確信できる瞬間を多く作るためには、アイデアが必要だ。

そしてそのアイデアというのは、ほとんどの場合、ゼロから急にニョキっと現れるようなことはない。

ひらめきには、それのトリガーとなる経験と、経験を脳が知覚して処理をするというプロセスが必要だ。

それが、知覚。

知覚力が高い人と低い人は、同じ世界を生きているように見えて同じ世界を生きてはいない。

文字通り、知覚した全ての事から受け取れるものの量が違いすぎるからだ。

冒頭で言った、ブログでコンスタントに良い記事を書くにはどうすれば良いか。それを考えた時、「知覚」という言葉にはすぐ辿り着くことができた。(ドンピシャで知覚という言葉で調べた)

すると、この本が出てきて、直感的に確信した。この本が求めていたものだ。

書店で探してみると、「美術」のコーナーにあって、少し敷居が高い気がしたが、だからこそこの「知覚力」の重要性に気づいている人が少ないのだな、とも思った。

知覚力がなぜ重要か

この本によると、知覚は、知的生産の最上流に位置している。

知的生産のプロセスは、「知覚・思考・実行」という段階で説明されているが、平たく言うと、「何かを経験し→それについて調べたり考えたりして→分かったことをアウトプットする」ということだ。

僕が「読みたいことを、書けばいい。」の書評記事に書いた結論と、少し似ている。

そして、この最初の知覚、という段階もまた、2段階に分かれている。ここが重要な所だ。

それは、「受容」と「解釈」

受容は感覚器官で経験を受け取ることを指し、解釈で脳が既存の知識と照らし合わせ、意味づけを施す。

この「意味づけ」が曲者で、知的生産プロセス「知覚・思考・実行」の第2段階で行われる「思考」はここで意味づけたイメージの影響を多分に受ける。

だから、この段階で優れた解釈をできる人間が、常にリードする。

じゃあ、意味づけの時に使う「既存の知識」が多い方が良いということかな?

間違いではないが、知識というのはあくまでも補助。

例えば、本書の例でも紹介されている有名な話だが、ペニシリンを発見したフレミング博士は、ペトリ皿のカビをヒントにした。

しかし、当時の衛生状態から言って、カビの発生それ自体は珍しいことではなく、他の研究者でも同様にあったようだ。

それでもノーベル賞を取れたのは、フレミング博士。つまり、最も重要なのは、物事を見る時の見方なのだ。

また、経験を受容する時にうまく「受容」することができさえすれば、その後の調査や思考のテーマが洗練され、知識がたまる。それらは別の機会で知覚する際に、解釈で既存の情報としても使えるようになる、とも言える。

よって、物事をどう見るか、どう「受容」するか、が肝要となる。

最近「呪術廻戦」という大ヒットアニメを観ているが、そこでも同じような事を言っていた。

それが、「目より先に手が肥えることはない」という言葉。

「目より先に手が肥えることはない」

良し悪しを見抜く”目”を養わねば、作品を生み出す“手”の成長は望めない。

表現者の間でよく使われる文句。

これはあらゆる専門(ジャンル)に共通し、”目”の良い者の上達速度はそうでない者のそれを遥かに凌駕する。

(漫画・アニメ「呪術廻戦」より)

つまり、物事を観察する目が良いと、知的生産が捗るばかりか、物事全般の上達が速い。

これは、一般的に言う、「頭が良い人」に当てはまりそうな特徴でもある。タイトルで、「頭が良い人」と入れているのは、そういうことだ。

では、本題の「知覚力」を高めるためには、どうすればいいか。

知覚力を高める方法

知覚力を高める方法は、一般的に言うと、読書をするとか、人間関係を広げるとか言われている。

たしかに、本を読めば古今東西の優れた人の考え方を吸収することができるし、自分と違う意見を持った人と実際に話してみるのも、自分の思考の箱を拡張できるだろう。

しかし、ここまで読んできてくれたら分かると思うが、本当の知覚力とは、もっと原始的なものだ。

ペニシリンや呪術廻戦の例でもあったが、要は”目”なのだ。(そして目をうまく使う手法を身につけると、耳など他の器官にも活きてくる。後述する。)

書籍のタイトルで察しはついていたと思うが、ここで「絵画を観る」ということが出てくる。

絵画を観ることのメリットは、この本でもかなりのスペースを割いて解説されているが、一つは物事を観る時の姿勢を体得できる点。もう一つは、物事を観る際の技法を練習できる点だ。

まず一つ目の、物事を観るときの姿勢だが、これは「純粋に観る」ということを指す。

というのも、我々現代人が物を見る時、自分にとって都合の良いもの、得になるものを検索するように見てしまう癖がついている。

インターネットで検索する時、街中で広告を眺める時、動画サイトのおすすめ欄を見る時・・・

しかし、知的生産における知覚でそのような見方をしてしまうと、偏った傾向で物事を受け取ってしまい、大切なものをみのがしてしまう可能性がある。(書籍冒頭で、これに関する実験を紹介しているので、チェック推奨)

また、2つ目の「物事を観る際の技法」は、テクニックとして絵画の見方を習得でき、それを普段の生活で映像作品、画像等を観る時も意識することで、何の意識もせずに見ている人とは、視線の軌跡それ自体が全く違うような見方ができるようになる。

これに関しては、次章で説明しよう。

この絵画観賞のメリットが大きい裏付けとして、同じ科学者でも、ノーベル賞を受賞した人の中のアート愛好者の割合は、一般の科学者の3倍近く、また、単にノーベル賞受賞者のアート愛好者の割合は9割を越える、という事も付け加えておこう。

絵画観賞の技法

この技法に関しては、書籍を読んで絵と共に解説を読んでもらうのが、最も分かりやすい。

しかし、自分なりにやり方をまとめてみたので、イメージだけでも掴んでくれればありがたい。

有名な科学者が皆、このように意識して絵画を観ていたとは考えづらく、ただ単に趣味として観賞を楽しんでいたとするのが自然なので、この後の章でまとめたやり方でとりあえず毎日絵画を観るだけでも、続ければ見方がかなり変わってくる。

が、それにしたって多少のガイドがないと、「ふうん」で終わる可能性も否めないので、まとめておく。

  1. まずは、全体を把握する
  2. フォーカルポイント周辺を観察する
  3. 残りをセクションに分け、細かく観ていく
  4. 全体に戻り、解釈する

このようになる。説明は以下だ。

まず、①の段階で、大体の時代、場所、状況等の当たりをつける。

そして②が難しいのだが、フォーカルポイントというのは、線が集まる消失点と呼ばれる所や色のコントラストを使う所に多く、作者が最も見てもらいたい部分を表現しているらしい。そこを見て、絵画の主題を考える。

次に③。フォーカルポイント以外の絵を部分部分に分け、丹念に見ていく。言葉にすると平凡に聞こえるが、イラストや芸術に関わっている人以外がこうやってセクションごとに観ることをやっているとは思えない。

しかし、この段階も非常に重要で、気づいてなかった細かいアイテム・質感、人の表情、建造物の造り・デザインなど、改めて分かることが多い。

最後に④。今までのステップで得た大まかなイメージ・主題・細かい表現を頼りに、自分なりの解釈を考える。

これが、絵画観賞の本来の順序で、しっかりやると4分。美術館で人々が一枚にかける時間は30秒程度らしく、正しい知覚がどれだけ大変かが分かる。

また、絵画だけでなく水墨画も良いということを付け加えておこう。

投資家・経営者のウォーレン・バフェットは水墨画の愛好家で、絵を観るように組織を管理しているという話も載っていた。

そして、先ほど少し触れた、聴覚など他の器官を使うときにも応用できる、という話だが、それがなぜかというと、これは全体→部分→全体とフォーカスを移動させることによって、思考を深化させるプロセスだからだ。

例えば、音楽を聴く時。初めに全体の雰囲気を聴き、それから各楽器へ。歌詞があるものの場合は、歌詞の意味も重要な情報になる。それらを踏まえて全体を意識して聴くと、また他の感想が浮かび上がってくるかもしれない。

映像作品も同様だ。映画やドラマ、動画は動く絵と音声で構成されており、さらに情報量が多い。これ以降は各々が工夫してやっていくしかない段階であろう。

注意点

ここで、知覚を邪魔する脳の性質についても、一応触れておく。

脳は常に楽をしようとするので、知っていて防げる類のものではないらしいが、それでも自分の考えがまとまった際に、これらに影響されていないか確認してみるのは、良いだろう。

自分が特に重要だと思うものを、抜粋してみた。

  1. カテゴリバイアス=カテゴリに分けたステレオタイプ(固定観念)で物事を見てしまう
  2. 確証バイアス=自分の知っている情報を強化してくれる情報しか受け取らない
  3. 自信過剰バイアス=自分はできるやつだと思ってしまう

①は、例えば男女、社会での立ち位置(学生・サラリーマン・経営者など)でその人を決めつけてしまう事例が多い。

②は、例えば自分の意見で検索してしまい、それを支持するような結果しか視界に入ってこない等。

③は、僕もそうだが、自分の実力は高く見積もってしまう。自分を生まれた時から付き合ってきたやつではなく、知らんどうでもいい第三者として評価するのは、難しい。

絵画観賞の環境作り

ここまで読んできておそらく思うであろう事は、「でも絵画なんて普段見ないし・・・」ということだと思う。

僕もそうだった。しかし、ここまで絵画観察の効用が言われている以上、無理矢理でも絵画を観る習慣をつけたかった。

そこで考えついたのが、毎日PCの壁紙を自動的に変えること。

やり方は以下だ。

(はじめはスマホでやろうとしたが、絵画は横長のものも多く、壁紙に入りきらないので却下に。)

  1. このサイトで有名画家の作品を1〜40位までダウンロード
  2. Windowsはこのサイト、Macはこのサイトを参考に、毎日壁紙が自動で、ダウンロードした絵画の中で切り替わるようにする。(「画面に収まるように配置」と設定)
  3. スキマ時間に、壁紙の絵画を観賞プロセスを意識して、じっくりと観察する。

これで、毎日絵画を楽しむ習慣ができる。(なるべくデスクトップのアイコンはなくそう。僕はゼロにした。)

僕もまだ始めたばかりなので、一緒に設定して、優れた知覚力を手に入れ、物事の深いところまで気づけて、何でも上達の速い人を目指そう。

おわりに

久々の書評記事となったが、読書中しっかりとメモを取ったせいで、どれを捨てそれを入れるか、また、どういう順序で展開するかなど、非常に骨が折れた。

しかし、普段の記事のようにぼんやりと頭に言いたいことがあって、よーいドンで書くよりも、整理されてよかったかもしれない。

これまでは、動画投稿と並行してやってきたこともあり、そこまで工夫を意識してきたことはなかったが、今後僕の知覚をコンテンツとするならば、できる工夫はたくさんある。

今後も期待していてほしい。

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