さて、今回はお待ちかね、「Ducky One 2 Mini RGB 60% version」を遂に入手したので、レビューをしていきたいと思う。
結論から言うと、このキーボードは形・速度・高さ調整の3点が優れており、FPSに最適だ。
(ちなみに僕が買ったのは銀軸のもの。軸に関しては後に説明する。)
早速行ってみよう。
60%キーボードの利点
いきなりで恐縮だが、過去記事を引用させてほしい。
詳しい説明はこの記事に譲るが、簡単に言うと、FPSにおいてキーボードは短い方が強い。
その観点で言うと、このダッキー60%は、売られている中で最も短く、さらに小さい。
実際買って使ってみると、右手のスペースが確保しやすく、抜群に使いやすい。
また、↑の記事風の工夫をするなら、右ALTキーに親指を置くスタイルがオススメだ。
特に後者のポジションに手を置いた時が顕著だが、もはや腕がそのまま真ん前に出ているだけ、という状態でプレイでき、脇を締める(締めすぎると逆効果なので注意)姿勢を自然に実現させている。
これにより、レッシュ4スタンス理論のAタイプ(電車の吊り革を指で掴む人)は、エイムがより安定する可能性が高い。
細かいメリット
また、↑の記事で考案した裏技(端的に言ってしまえば、キーボードを逆さにすると誰でも短いキーボードを体感できるというもの)を使っていたので、フルサイズのキーボードからコンバートした人ほどの感動はなかったが、それでも2点のメリットがあった。
1つは、当然だが、キーボードを普通に置いてプレイできること(笑)
あのやり方は画期的だが、キーボードの傾斜の関係、そしてキーの配置の関係で、やはり本来のホームポジションとは少しフィーリングが異なることが問題だった。
このダッキーなら、いつもの手の置き方で、それでも右側がガラガラになり、やはりトッププロの使っている製品なだけあるなと思った。
もう1つの利点は、しゃがみキーのホールド→切り替え問題がなくなったことだ。
本来のポジションでスペースキーが正常に動作するのは当然のこと、実はさっき2枚目の画像で紹介した、極限まで右手を寄せるやり方でも、親指の右Altでこの問題が発生することはなくなった。
ゆえに、若干のキー配置慣れが必要なことを除けば、この使い方が脇締め姿勢において最強であると言える。
よかったら試してみてほしい。
銀軸&応答速度カスタマイズの利点
このダッキー60%には、もう1つのメリットがある。
それは、キーボードのゲーム入力スピードだ。
ゲームの中で僕たちがしようとしている動きには常にタイムラグが発生している。
なぜなら、脳が自分の体にキーを押せと命令した瞬間が、本当に動きたいタイミングであるのに対し、実際は、
- その命令が手に伝わってキーを押すまでのラグ
- キーを押し込みキーボード側で「押した」という判定になるまでのラグ
- その信号がPCに伝わるまでのラグ
があるからだ。
この中で①は人によってほぼ変わらないだろう。(アイシールド21の阿含みたいな神速のインパルスは現実にはない)
よって通行料、税金みたいなものだ。
また、それ以前の言わば⓪として、見てから脳に命令を出すまでの時間=反射神経も関わってき、これはトレーニングで改善できる可能性があるが、今回はキーボードの話なので、省かせて頂く。
この記事で話したい内容は、②・③についてだ。実はキーボードによって如実に変わってくる。
説明しよう。
キーボードの”軸”による違い
まず、②=キーを押し込みキーボード側で「押した」という判定になるまでのラグ、はキーボードの“軸”によって異なる。
キーを何mm押したら押した判定になるのか、という数値を「アクチュエーションポイント」と言うが、この数値がキーボードの軸の種類によって違い、速かったり遅かったりするというわけだ。
例えば、このダッキーに使われている「CHERRY MX キースイッチ」に関しても、このような違いがある。
アクチュエーションポイント | 押下圧 | |
青軸 | 2.2mm | 50g |
赤軸 | 2.0mm | 45g |
静音赤軸 | 1.9mm | 45g |
茶軸 | 2.0mm | 45g |
銀軸 | 1.2mm | 45g |
銀軸が圧倒的に速い(押した判定になるまでのキーを押す距離が短い)のが分かるだろう。
また、押下圧は軸によってほぼ変わらないので、気にしていない。一般的には圧が強い方が押しにくいので、遅いが正確なタッチができる。
では、銀軸が最適解かというと、実はそうシンプルでもない。実際、FPSのプロ界隈ではまだまだ赤軸の使用者も多い。
しかし、ご存じの通り、僕は銀軸を選択した。これには理由がある。
実は、このCHERRY MX キースイッチ以外にも、他社製のスイッチがいくつかあり、その中でも、僕はLogicool G Proに使われているスイッチに着目した。
このG Pro、プロの中でも使用者が多い商品で、特に翻訳動画等でもよく見かけるプロチーム「TSM(North America)」は、全員これを使っている。
そして、このG Proに使われているスイッチのアクチュエーションポイントが、1.5mmなのだ。
プロで多いのは赤軸2.0mm、G Proが1.5mmでダッキー銀軸が1.2mm。この選択肢が並んだ時、僕は「TSMが1.5mmなら、0.3mmしか変わらん銀軸でも大丈夫っしょ!」と思った。
(そもそも銀軸で活躍しているプロ選手もいる。e.g. NRG=Mohr, Liquid=Nocturnal, CLG=Vaxlon等)
実際使ってみても、むしろ以前使っていたロジクールの安いフルサイズキーボード(赤軸)と比べれば、超速くて使いやすい、という印象しかない。
キーボードの”応答速度”による違い
次は③=キーボードの信号がPCに伝わるまでのタイムラグ、について説明しよう。
これも実は、キーボードにより少し違う。
公式サイトで正式な応答速度を紹介している商品が少ないが、例えばこのページでは、執筆者が「反応速度ゲーム」をプレイすることで、キーボードごとの結果をまとめている。
この事からも、種類ごとに入力反映のラグがあることが分かる。
今回ダッキーを購入した決め手になったのは、この応答速度に関するリサーチもあった。紹介しよう。
まず、この「Ducky One 2 Mini RGB」の応答速度は、キー入力により4段階(!)の調整ができる。
速い順に0.5ms、1.0ms(デフォルト)、1.5ms、2.0msの4つだ。
そして、今回比較対象にしたのが、ロジクール最上位製品のG913。
僕はこれを、ブログの執筆を含む普段使いで使用しているが、公式サイトの記述では、LIGHTSPEEDという技術を使用しており、応答速度は1ms。
G913の方が圧倒的に(値段が)高いので、逆にダッキーの応答速度の信憑性が薄れてしまう感があるが、しかし書いているものは書いているものだ。
先程言及した同じLogicoolのG Proの説明にLIGHTSPEEDがなく、応答速度に関しての記述がないことから、おそらくG913より遅いと予想し、応答速度の面でも強化することのできるダッキーの購入に至った。
ダッキーの4つの応答速度も順に試してみたが、やはり速い順にイメージの動きと近いという印象だ。(もちろん最速の0.5msに設定している)
サイトによっては速いとキーの誤爆が増える、という書き方をしているが、キーの誤爆は押したつもりがないのに押した判定になってしまうという事なので、アクチュエーションポイントが変わらないと起こらないのでは?と思う。
【編集後記】
と言いつつ、結局最終的にはデフォルトの1.0msに落ち着いた。
僕の感覚では、スペースボタンを押す時の応答のみ、少し早すぎるように感じたからだ。
このへんは個人の感覚によるものだとは思うが、一応参考にしてほしい。
高さ調節機能
ここまでの説明で、他のキーボードにはない明らかなメリットがあることがお判りいただけたかと思う。
しかし、ダメ押しとばかりにもう一つメリットが存在する。
それが、3段階の高さ調節機能だ。
ダッキーには、通常のキーボードに存在するような普通のスタンドの中に、それの半分のサイズのスタンドも内蔵されており、寝かせた状態・小さいスタンド・大きいスタンドの3つから好きな高さを選ぶことができる。
このキーボードはキーが小さなスペースにぎっしり詰まっているため、使い始めは慣れない可能性も高い。
しかし、スタンドで高さを調整することで手に対する距離を微妙に変更することで、その違和感を軽減し、早く慣れることができるというわけだ。
かくいう自分も初めは慣れなかったが、小さいスタンドの存在に気づいてからは、特に不満なく使うことができるようになった。
また、弟はスタンド大で高くした状態が最も使いやすいと言っている。弟の方がだいぶ手が大きいので、ダッキーは様々な手のサイズにも対応していると言えるだろう。
まとめ
以上、60%という短さと軸・応答速度によるスピード入力、3段階の高さ調節機能。この3点からDucky One 2 Mini RGB 60% versionのレビューを行った。
正規取扱店=ふもっふのおみせで、購入商品=Ducky One 2 Mini RGB 60% versionを買うのも良し。
登録等が面倒な人は、Amazonや楽天でもゲットできるので、チェックしておこう。
サイトに行ってもらえれば分かると思うが、これだけのメリットがある製品にしてみれば、1万円強で買えるというのは結構ありがたい。
用途が違うからだと思うが、ロジクール等他のブランドのキーボードの相場は、もっと高いからだ。
FPSで強くなるための機能は思いのほかコストがかからないものが多いということだろうか。(少なくとも60%キーボードは部品の数・サイズが減って、安くなるのは分かる。)
今後もデバイス・周辺環境等で強くなる方法がないか模索するのはもちろんのこと、そろそろエイムに関してはひと段落した感もあるので、立ち回りで画期的な考え方が発明できないかも試みていきたい。
次のFPS記事もお楽しみに。
【編集後記】
FPS関連のオススメグッズで言うと、下記の記事で紹介した、高さ調整が可能なデスクは、最適な姿勢でプレイするために役立つので、ぜひチェックしてみてほしい。
アルブラレリーのフェイスカムなんかを見ていると、異常なほどキレイな姿勢でプレイしているので、やはりFPSに姿勢はかなり重要と見ている。