このサイトでは、度々、”好き”と”得意”についての話を取り上げている。
例えばこの記事。好きは感情、得意は性質、という観点からどのような分野を選べばうまくいきやすいか、考えた。
しかし、自分がどのような分野に向いているのか、という話は経験則にしか任せていなかった。
僕自身は好きなもの、興味のあるものへのフットワークが軽く、すぐに何でも試すので、これまでの人生を通してだいたい自分に向いている分野に関してはつかめていると思っているが、そうでない人も多いだろう。
そのような人も、まずは自分がどういう風に世界を認知するのが得意かを知れば、これまで少しでも興味を持ってきたものへの答え合わせになるし、今興味がある分野がどれくらい向いていそうか、だいたい知る事ができる。
また、適正とは選ぶ分野だけでなくどのような頑張り方をするか、にも応用できる。
例えば僕の弟。彼は僕のように「やりたい事」を人生の一番トップに据えているわけではないし、その事ばかり考えているわけでも当然ない。
しかし、人生では時にどうしても努力しなければならない状況が来たり、結果を求められる場面もある。
そういう時に、自分の脳の癖、認知の傾向を知っておけば、きっと今より楽に望んだ状態へ持っていける。
そのための方法をこれから伝授しよう。
本田35式テスト
今回使うのは、この本田35式テストというサイトだ。
ものすごくシンプルな構成で、ボタンを押して答えていくだけで最後に自分の能力が、よく漫画のキャラクターズブックとかに出てくる6角形のグラフみたいな感じで表される。
元々は以下の書籍でできるテストなのだが、本の方は紙と鉛筆を用意して適宜メモを取らないとできなかったのに対し、これはスマホでパパっとやってスクショも撮っておけるので、非常に現代に即しているシステムだと思う。
ちなみに元々の書籍はこちら。僕は大学時代にこの本を試して以来、最近サイト版を見つけてテストをやってみると、違った結果が出た。
これが僕自身の能力が、継続的に行っている経験全てにより少し変容したのか、それとも両者のテストが微妙に違うからかは分からない。
なんにせよ、その時に出てきた結果が一番重要で、参考にすべきだと僕は思う。
利用法1. 選ぶ分野に使う
まず、初めに言っていた通り、このサイトは得意なことを好きになると人生うまくいきやすいよ、という記事を公開しているように、成功することへの執念が強い(笑)
だが、自分に何が向いているかが分からない人もいるということで、このサイトの診断結果は非常に有用だ。
僕の例を用いて説明しよう。
結果はこのようにグラフと点数の両方で表示される。
僕の場合、強い認知特性に分類されるのは、「言語映像タイプ」のみ。
この特性は、下に書いている「各タイプをひとことで表すと」というセクションに書いてある通り、「文字や文章を映像化してから思考するタイプ」。
書籍によると、文字と映像の行ったり来たりが一番得意とする所のようで、その観点でいくとやはりこのような文章を書く仕事が一番向いていると思われる。
実際、ググっても分かるが、本の方にも、このタイプの適職はコピーライターや絵本作家、雑誌の編集者、作詞家と書いてある。
(個人的には得意な能力は大いに参考にするが、適職はあまり気にしていない。職業とは先人が作った枠組みであって、時代と共にどんどん変化していくものだ。YouTuberなんかはその典型だろう。)
ゲーム実況に関しては、目の前の映像についてどんどん喋っていくので、これも向いているように思われるが、これはむしろ5番の聴覚言語タイプな気がする。「文字や文章を耳から入れる音として情報処理するタイプ」、うん。
実況に関しては複雑な思いがあって、初めてやった時から言葉を出すことに困った覚えは全くない。ただ、つまる時(出したいイメージはあるのに即座に言葉が出てこない時)と、とんでもなく流暢な時の差が激しいと思っていて、そのせいで自分でアーカイブや動画を見ても、たまに何を言っているのか分からなくなることがある。
家族兄弟を含めて耳より目に認知が偏っていることは明らかなので、僕は言葉を使うにしても、文字の方が適正が高いというのが、診断と経験の両方から得られた結論だ。
他にも、昔歌ってみた動画をアップしたくてデスクトップミュージックで歌とオケのミックスをしたり、楽器のデータを買ってきてMIDIキーボードでオケを作ったりしていたが、あまりレベルの高いものはできなかった。
これも今思えば、僕の認知機能の苦手分野だったことは少しあるだろう。(なんでも認知の得意不得意のせいにするのもよくないが)
そして、今興味を持っているのはカメラ。彼女の影響で写真展や美術展などに行く機会が増えたが、これは認知機能だけでなく、どのようなものを美しいと捉えるか、という鑑識眼の部分も含むので、非常に複雑で面白い思考ができる、良い機会だと思っている。
僕の視覚の認知レベルは平均の域を出ない(でも大学時代に書籍でやった時はカメラアイタイプだった)ので、深追いはしない方が良い気がするが、なんでも経験して考えて、面白い人生にしていきたいと思う。
ここまで書いてきたらもう分かっていると思うが、読者の方もこの診断の結果を利用して、これまで得意だったもの、好きなもの、これからやってみたいこと等、色々当てはめて考えてみてほしい。
自分のアンテナに触れるものは、絶対に何らかの認知の才能が隠れていると思う。
また、このテストで聴覚に優れていた人はぜひ教えてほしい。僕の周りでこのテストをして聴覚が強い認知を示した人は今のところいない。
きっと僕が普段接している人は全く異なる才能の持ち主だと思うので、とても興味がある。
利用法2. 努力のスタイルに使う
人それぞれ認知の傾向、得意な感覚が違うということは、それが最も脳に刺激を与えることができるということだ。
努力と言っても様々あり、例えば僕がやっている物書きや動画投稿、生配信というジャンルではいわゆるアウトプットが主であり、書くことはそのまま文字を使っているので割愛するが、動画のジャンルでも文字情報が多いゲームを選んだり、字幕をつけてみると言ったことしか思いつかない。
(認知の癖は自分だけでなく他人にももちろんあるので、自分が得意だからといって人に見せるものにそれを多用するのは少しズレる気がする。その辺りもう一度考えてみたい)
しかし、アウトプットはインプットをしてやっと良いものができる。その点、どのような人間にもやはり“勉強”は欠かせない。
ということで、いわゆる勉強、学習と言った方面でこの章は考えていきたい。
このサイトの性質上、最終的に「結果を出したいもので結果を出す」ということには常にフォーカスしていたいと思っているが、やはりビジネス、芸術、エンタメ、スポーツ、色々な方面で知識やデータは大切だ。
なので、少し期待していた内容と違うと感じた人がいたら、それは”勉強”を軽視しすぎだと言いたい。
例を一つ出そう。
僕の弟は大学で勉強をしているわけだが、成績が伸びず悩んだ時期があった。
日頃から彼を見ている僕は、彼の興味を持つ分野、好きなこと、血液型など、全然違う人間だということを知っていたので、まずは何の認知に優れているか確認したく、このテストを受けてもらった。
結果は視覚優位者、特に「三次元映像タイプ」の数字がばつぐんに良かった。
(ちなみにこのテストはどちらかというと自分の中での相対評価という使い方だけで良いと考えている。自分の中で最も得意な認知を使うのが自分にとって楽に結果が出せるよね、という趣旨なので、点数が他の人と比べてどうとかは全くどうでもいい。僕より言語映像の点数が良い人はゴマンといるだろうが、それでいいのだ)
なので、そのアプローチでもっと効率の良い勉強法がないかとググったところ、面白い情報があった。
(自分の認知タイプは一度個別でググってみた方が良い。しっかりとしたサイトで説明されている事もあれば、個人のブログでミクロな体験談を書いている所もあり、非常に参考になる。もがいているのは僕達だけじゃないという事だ!)
三次元映像タイプは、物事をその周囲の状況と合わせて理解するのが得意だ。その”状況”の定義が非常に面白く、まず当然道を覚えるのがバカ上手い。これは直感的に理解しやすいだろう。
しかし、それだけではなく空間それ自体の処理にも強い。なので、Apex Legendsのような脳の運動神経が高そうなやつが上手いゲームは、やはり最初から僕より適正が高かったように感じる。(ちなみに僕はあまりにも向いていないので、時間を使わないように距離をおくようにしている笑)
さらに驚くのが、その”状況”が時間軸にも適用されるという事実だ。実は、三次元映像タイプは「ストーリー」の処理を好み、また得意だ。僕の周りのO型はやけにアニメやドラマが好きな人間が多いが、その人達はたいてい三次元映像タイプ。ちなみに僕や父のような書籍等の文字(僕の場合は動画サイトのコメント笑)を好む言語優位者はA型だ。そしてこれらの前者と後者は人間的に相性が良い。こういう統計データがどこかにないものか。
ともかく、それなら弟が元々アニメやドラマなどストーリーのあるものを好むのに非常に納得がいく。僕はそういうものよりただゲームをしながら喋っているゲーム実況の方が好きなので、やはり明らかに違いがある。
このような事を知った時と同じくして、弟が学部の友達から、非常にためになる動画学習サイトを教えてもらってきた。三次元映像タイプが動画学習に向いていることはググって知っていたので、早速契約して勉強に励んでいるというわけだ。
これは一例にすぎないが、例えば僕のような文字に適正のある人間が、オーディオブックのみで勉強しようとすると、非常に効率が悪いことは想像に難くない。勉強に興味のなかった中高生の時、成績が良くなかったのは授業を”聞く”という行為が苦手だったからだと、今では納得している。
逆にゲーム実況で読んだテキストや本で読んだことなんかは、文字と共に周囲のマップや本だとページのどのあたり、といった事まで覚えている。
ということで、認知の得意不得意は、何を使うかで同じ人間でも偏差値でいう40⇔60くらいのギャップが出てしまうということだ。
今仕事や勉強、その他で思うようなパフォーマンスが出せていない、という人は、もしかしたら苦手な認知機能を使っている可能性がある。
かくいう僕も、とても面白い改造ポケモンを生配信でノンストップで実況し続け、しかも市場的に英語という言語のおかげで他の実況者と競合にならない、という好条件にも関わらず、チャンネルが伸びない、という状況があり、改めて得意なことへのありがたみを覚え、書くという行為を再開した。
書くという行為は時にチャレンジングな”生む”という行為、という認識が強いが、それでもやっている時、ああ得意だなと改めて思わされる。
読者の方も、好きなものをやるのが楽しい、という事はもちろんだが、結果が必要な大人としての状況がのしかかってきた時、得意なものに頼れるんだという事を忘れないでいてほしい。
そして、この2章で書いたように、自分の認知機能が得意な勉強法を調べて、日々自身をブラッシュアップしてほしい。上質なインプットがないと、アウトプットはできない。それはつまり、パフォーマンスの低下を意味する。
さいごに
というわけで、今回は認知機能の側面から、以前の記事の得意なことをやろう論に具体的なアプローチを付け加えられたのではないかと思っている。
しかし、この理論はいまだ発展途上だ。
僕は現代という混沌とした社会の中で、誰でもある程度結果を出すことのできる、新しいスタンダードメソッドを確立したいと考えている。
そして、僕を含め、より多くの人に自由で楽しく、自己実現できる未来を手にしてもらいたい。
道は続く…