以前、FPSの基礎力であるエイムを鍛えるために、「語学学習だと思って取り組めば余裕でお釣りがくる」という話をした。
では、語学学習だと思って取り組むとはどうするのかと言うと、それは、「毎日一定量の基礎訓練を行い、習慣化する」という事だ。
実際のスポーツでも、部活レベルからプロレベルに関わらず、丁寧に基礎練習を重ねてから、仕上げとして試合形式のプレイをする。
と言っても、FPSゲームの場合はそこまで極端な比率にはしない。あくまでも、「このルーティンを終えてからでないと、カジュアルやランクに行ってはならない」とルールづけする程度だ。
こうすることで、毎日感度をマッスルメモリーに覚えさせる試行を繰り返し、1か月後には、ルーティンを始める時には考えられなかったような、「45°以上離れた小さい的にパッと合わせる」ような事すら自動的に行えるようになる。
このように毎日基礎練習を積むことは、語学学習では当然の方法論である。僕が毎朝毎晩、洋書やオーディオブックに触れているのと全く構造が同じなので、冒頭のような書き方をした。
必要な心構えとしては、この基礎練習を「楽しい」と思ってやっているプロは存在しないということだ。(音楽であれ、スポーツであれ、成功者はそうだという研究がある。)
もちろん続けていく中で、不意に練習の記録が伸びて嬉しいだとか、前よりも理解度が増し感動するといった、小さなハッピーはある。しかし、基本的には「やるのが当たり前だから考えずともやる」という状況が理想である。
これらを前提に、次章から、具体的なKovaakの練習ルーティンについて解説していく。
ここで、「自分の好きな種目にカスタムしていいの?」という疑問があると思うが、初心者の内は、紹介したルーティンを厳守することをオススメする。
私は、初めてパッドでダイヤに行ってから、ずっとキーマウよりパッドの方が上手かった。しかし、今回のルーティンをやるようになって一か月以内に、パッドよりずっと楽にキーマウでダイヤに行けるようになった。
ダイヤⅢの中盤くらいまでは上がれているので、時間さえあればそれ以上も目指せるだろう。
ルーティン構築の際には、「プロが実際に行っている種目を調査する・エイムに必要な能力を分けて考える・実際に試して入れたり消したりを繰り返す」など、相応の期間がかかった。
似たような作業に時間を割くよりも、厳選の工程をすっ飛ばして、一日でも早くルーティンを始めた方が、当然結果は早く出る。
カスタムするにしても、上手くなってきて自信がついてから、自分に足りないと思う能力を伸ばす種目を入れた方が、ずっと効率が良いだろう。
下記記事を見て、感度と視野角の設定をADS時のものにするのを忘れずに。(記事内のKovaakの種目は一旦無視で良い。こちらの記事が最新で最良。)
それではやっていこう。
キーマウが最速で上手くなるプロのkovaakルーティン
- Ascended Tracking 90 Smooth(最初の1か月だけ)
- Ascended Tracking 90 Small
- Ascended Tracking 90 invincible fixed(最初の1か月以降)
- 1wall 6targets small
- 1wall5targets_pasu
- Narrow Strafe(最初の1か月だけ)
- Close Mid AD LFS Dodge
- Smoothbot Switch Robots(最初の1か月以降)
以上の2×3(途中で切り替える種目があるので実質6つ)で、「トラッキング基礎→フリック→トラッキング応用」の流れで練習が出来る。
詳しい説明は、次章から。
※今回のルーティン作成にあたって、Euriece・iiTzTimmy・CrylixがやっているKovaakメニューを参考にした。
Ascended Tracking 90 Smooth(最初の1か月だけ)
この種目は、キーマウのトラッキングエイムにおける、基礎中の基礎である。
標的が端から端まで、方向転換なしで移動し続けるだけなので、「これはいらないんじゃないの?」という声もあるかもしれない。
しかし、90 Smoothは実は初心者にとって最も大切な種目だ。
なぜかと言うと、トラッキングで最も大切な「手首のみで標的を追い続ける」という基本動作を、身体に叩き込むことができるからだ。
ただ、かといって上手くなってからもずっとする必要は、もちろんない。
僕が本格的にキーマウに戻り、このルーティンを組んでから、3週間続けたあたりで「Smoothはもう必要ないな」と感じたので、始めの1か月のみとした。(キーマウ自体が初めての人は、1か月以上やってもいい)
が、調子が悪いと感じる期間や、今一度基礎に立ち戻りたいと思った時にも、頼りになる種目である。Kovaak内で常にブックマークしておこう。
Ascended Tracking 90 Small
Smoothの的は規則的な動きをするので、不規則な動きを追う、純粋な意味のトラッキング練習はこの種目から始まる。
目標の命中率は、70%。(始めは65%でもいい)
慣れない内は方向転換に苦しめられるかもしれないが、この次に書く「目の使い方」の記事で解説する内容を意識してほしい。
敵のレレレで起こる照準のズレを、最小限に抑えることができる。
ちなみに、これの敵が少し大きい版が「Ascended Tracking 90」(Smallがない)。
iiTzTimmyがやっている種目だが、より小さい的でやる方が練習になるので、90 Smallをオススメする。(そこまで違いはないけど)
Ascended Tracking 90 invincible fixed(最初の1か月以降)
90 Smallの次にやる種目としてよく紹介されるのが、「Ascended Tracking v3」だ。しかし、今回参考にした3人の超上級者で、採用している人はいなかった。
実際、Smallとの違いは、遠い的のサイズがより小さくなるのと、ADS状態で視点を90°回転させる練習になるくらいなので、あまり変わらない。
そこで、ここにはCrylixとiiTzTimmyがやっている、「90 invincible fixed」を入れた。
基礎的なトラッキング種目の中では最も敵が速く、しかしジャンプの頻度が少ないので難しすぎない、良いメニューである。
この種目の切り返しに対応できれば、中々のトラッキング力と言える。
1wall 6targets small
ここから2種目は、単発武器をイメージしたフリック練習のメニューとなる。
1つ目の「1wall 6targets small」は、G7や30-30を、縦横にズレた敵に対して狙う練習に適している。
ここで、細かい的にエイムを合わせる訓練だけでなく、ADS時に視界を大きく動かす感覚も養うことができる。
ちなみに、この種目の使用プロはTorrent・Euriece。
1wall5targets_pasu
この種目もEurieceがやっているもの。ウイングマンの練習を想定している。
ウイングマンの練習と言えば、「Ascended Manwing」が有名だが、こちらの方がオススメ。
なぜなら、Manwingの標的は横移動が主なのに対して、実際の戦闘では、高低差が生じるケースが多く、縦のエイムも習得しておかなければならないからだ。
あと、Manwingの的の動きは読みやすすぎる。置きエイムでほとんど当てられるので、フリックがあまり鍛えられない。
「1wall5targets_pasu」では、標的がX・Y座標関係なく不規則に動きまくり、かなりフリックの練習になる。
さらに、的の数が多く1体が1発で倒せる・弾補充の時間がない事により、Manwingより時間対効果が高い。
Eurieceがそこまで考えて選んでいるかは分からないが、非常に優秀な種目である。
Narrow Strafe(最初の1か月だけ)
ここからまた、トラッキングに戻る。Apexではトラッキングが最も重要なので、応用編もやってエイムを高めておこう。
「Narrow Strafe」は、Apex黎明期に有名だった種目だが、最近はあまり聞かない。
が、今でもあのcrylixがやっている種目であり、実際にプレイしてみて応用編の導入にちょうど良いと思ったので、紹介する。
この種目では、敵のスピードとジャンプの機会が多くなり、基礎編より少し難しくなっている。
とは言え、足場の幅が狭いので、基礎編で目が慣れていれば、難なく追うことができる。
これも、最初の1か月に留めておき、それ以降はさらなる応用種目をやろう。
Close Mid AD LFS Dodge
応用トラッキングのラスボスとも言える存在。これが満足に追えるなら、試合でもまあめちゃくちゃキルできるだろうな、と思うほどに難しい。
何と言っても、敵の切り返しの頻度が異常。銃を持った人型のボットを採用しているので、視覚的に本番に近いのも緊迫感がある。
とにかく、切り返した瞬間、こちらも逆方向に加速して追いつく努力をしよう。
そして、追いついたと思ったら次の切り返しが始まっているので、それにも食らいついていく。
非常に忙しい分、けっこう追えるようになった時のApex内での効果も最も高い。Eurieceがメニューのトップに置いているのも納得のクオリティである。
(見た目は「Ascended Tracking 90 invincible fixed」に似ているが、やってみると難易度が桁違い。よってこの構成に。)
ちなみに、このプログラムの開発者の方はApex内でマスターの実力者。
ツイートからR99にHCOGをつけた画像を手に入れられるので、kovaakをする時は、常に表示する設定にしておき、よりApexに近い状態で練習しよう。
Smoothbot Switch Robots(最初の1か月以降)
最後の種目では、横方向だけでなく縦方向の動きも加えることで、敵が飛んでいる状況・ジャンプしている状況を意識して、トラッキングが練習が出来る。
特に、ジャンプパッドやホライゾンのリフト、パスのグラップルへの追いエイムに効果がある。
それらの頻度自体は他より低いため、まずは平場のレレレ合戦を制するべく、初期は「Narrow Strafe」を優先した。
しかし、だからこそ他のプレイヤーと差がつく項目であり、練習しておく事で一歩上に行くことができる。
この種目をやっているiiTzTimmyのように、自分が飛びながら敵に大ダメージを与えられるようなエイムを目指そう。
練習時間について
練習時間は、点数を測るモードで約2分ずつやるか、フリーモードでそれぞれ気がすむまでやり、10分を目安にしよう。(1分半1セットの種目が多い)
僕は、Kovaakと腰撃ち用のAimlabで、毎日約10分ずつ、計20分エイムソフトをやることにしている。
Aimlabのメニューも後日紹介しよう。
おわりに
この構成でKovaakを毎日練習し、1か月も経たずに「これは行けるな」という感覚を得て、サクッとダイヤに上がってしまった。
(それどころか、今現在ダイヤ帯でも普通に盛れており、もしかするとマスターにも行けるかもしれない。1か月で区切った種目は、実際には3週間で切り替えた。)
もちろん、僕の場合、パッドではあるが3回ダイヤに行っており、Apexのプレイ時間も1500時間以上、もしかしたら今は2000時間の方が近いくらいかもしれないので、その経験値も大きい。
しかし、Kovaak内の命中率だけを見ても、メキメキ成長していったことは、パッド・Apexのプレイ歴と全く関係ないはずだし、このメニューを組むにあたってプロのルーティンの良いトコどりを強く意識した。
なので、現状「最速でキーマウが上達するメニュー」と言っても過言ではないと思っている。
参考になれば嬉しい。Just do it!!
それではまた次の記事で。