この夏、自分に合った最強のマウスとは何か、ずっと頭を悩ませてきた。
手の大きさ、レッシュ4スタンス理論、プレイスタイル…考える項目は無限にある。
しかし、ある時1つの結論に達した。
感度の記事で述べたように、特定のゲームに最適な設定がある以上、最適なマウスもまた、存在するのではないか?
そして、その終着点は、「プロ、ないしプロに匹敵する上手さを持つプレイヤーの中で、最も使用率の高いマウス」である。
結果、2つのデバイスが候補に挙がった。
それが、Logicool『GPRO X SUPERLIGHT』と、『Finalmouse Ultralight2 – CAPE TOWN』だ。
今回は、これら2つを徹底分析・比較し、仮にどちらか1つを買うとしたら、どちらがオススメか、考えていきたい。
それでは始めよう。
本記事の内容を一言で表すと??
- 『GPRO X SUPERLIGHT』は万人受け最強デバイス。
- 『Finalmouse Ultralight2』はつまみ持ち・コントロール重視の人が使えば化けるかも。
次章から詳しい解説を行っていく。
『GPRO X SUPERLIGHT』使ってる人多すぎ問題
このブログの読者にはご存知の方も多いだろう、『GPRO X SUPERLIGHT』。
元々、前身である『GPRO WIRELESS』の時代から、その使用率には目を見張るものがあった。
(Logicoolと契約しているプロチーム・ストリーマー達の活躍でそう見えた部分も大きいが。)
しかし、時を経て発売されたこの、文字通り「化け物」が、有名Apexプレイヤーの使用マウス分布を大幅に変えてしまった。
体感としては、「この人、うまいな」→「この人もSUPER LIGHTかい!?」これでフツー。
次点となる、本記事のもう一つのトピックである、「Finalmouse Ultralight2」を除けば、あとは「左右非対称=エルゴノミクス党」(G703h使用)のケースがたまにあるくらい。
僕が感度のページ(↓)で紹介している、一握りのトッププレイヤー+αで見ていっても、以下のリストは全員使用者という、ある意味惨状。(真似するには高価という意味で。)
※1 備考欄は、感度のページで客観的な情報を書いたので、ここでは好きに書かせてほしい(笑)
※2 あと、情報によってはGPRO WIRELESSか、SUPERLIGHTかよく分からん人もいる(なるべく記載はしたが)。まあどっちにしろGPROだし、今買うとしたらSUPERLIGHT一択なので、ご了承を。
プレイヤー名 | 備考 |
---|---|
Stormen | 純粋な戦闘能力では世界一説が俺の中である。タップストレイフなんかいらんかったんや。キーボード配信によるとジャンプはホイールオンリー。 |
ImperialHal | GOAT(Greatest of All Time)の称号を得て、もう誰も手が付けられない。 |
Karonpe | アジア最強T1も、気づけば3人中2人がSUPERLIGHT。oblyはNP-01を使っており、Valorant最強のLazvellと同じ。 |
Parkha | Riddle移籍後の配信概要欄で確認。感度は400DPI・2.4。 |
Selly | トラッキングが上手すぎて、キーマウで唯一キルクリップがパッドに見える時がある。※Xtrfy M42も使用 |
Aimbot6974 | 自分で投稿してるクリップ集のかっこよさ、選曲のdopeさが群を抜いている。YouTubeチャンネル ※Finalmouse Air58も使用 |
Lyr1c | 理論値で敵を倒してる。無駄がない。速すぎる。 |
Crylix | 天才すぎてApexに飽きた男。好きに生きてくれ。 |
Taisheen | キルクリップ常連。SCARZは3人とも実力と個性が溢れ出ている。 |
Cpt | CR競技チームの元IGL。CRカップでもチームを二度優勝に導いた。ゲーム内感度を1.25にすることで、振り向き20cmに限りなく近づけてる説。 |
Faide | Taxi2gが空中戦を終えた後、「Faideみたいにできた」と言ってた。小脳が鳥並みに発達してる説。 |
Albralelie | 多分生まれた瞬間からApexうまい。戦略脳のスピードがコンピューター。エイムもチーターと間違われるほど。 |
iiTzTimmy | 年下だけど、こいつはガチ。歌ってみた動画もあるよ(?)→DROP IT LIKE IT’S HOT! |
ShivFPS | 視野角90であんなにキルできるのは才能。パッドもまあまあ上手くなってきてて草。 |
Euriece | 年下だけど尊敬してる人・Vol.2。次男っていうのが天才っぽい。「ダイジョウブ、俺はサイキョウダカラ!」 |
Alelu | DeToNatorでも、彼とMukaiは競技でのムーブを知りすぎている。大会での解説の仕事が多い。 |
Leia | 上記Alelu・Mukaiと共に数々の大会で実績を残した選手。まだまだ若いので、活躍が期待される。 |
Nokokopuffs | 古の時代からプロ。パッドを揶揄するクリップが面白い。 |
RPR | Vが好きなことで有名になった人。ピンがいくら高くてもウイングマン・クレーバーを当てられる能力持ち。 |
iZeroPlus | あまり目立ったイメージはないが、ずっとプレデターでImperialHalらとプレイしている猛者。 |
SHAKA | 伝説のスナイパーであり、長時間配信の代名詞。SUPERLIGHTではなく旧型のGPROを使用しており、提供されたSteelSeriesの製品も使っている模様。 |
SPYGEA | 最近ソロでマスターに行った。 ハイセンシの手首エイム(800DPI・感度2.4=振り向き8.66cm)。多少重いマウスが好きらしく、彼も旧型を使用。釈迦さんと同様SteelSeriesも所持。 |
StylishNoob | DTN3BRでは唯一、旧型じゃなくSUPERLIGHTを使用(手元配信で確認済み)。マジで振り向き2cmらしい。 |
Wokka | 日本人ながら世界MVP取得(R6S=レインボーシックスシージ)。才能×努力。 |
たしかに、万人向けフォルムに超軽量。しかも、Logicoolの技術・LIGHTSPEEDにより、応答速度1ms。
スペックがそもそも規格外で、それに見合った値段がするわけだが、本当にそれだけか?
これだけの最強メンバーがこぞって愛用するには理由があるはずだ…ということで、購入してみた。
以下より、レビューを行っていこう。
『GPRO X SUPERLIGHT』レビュー
白色を選んだのは、視覚的にも軽さを感じたかったからだ。服・スーツケース・車など、白い方が軽そうに見えるのは、ご存知かと思う。
メリット①ワイヤレスなのに異次元の軽さ
このマウスの近くだけ、重力が違うんじゃないかと思うくらい、軽い(笑)
お店で握った時も、マウスのサンプルと見せかけて実は本体だったというくらい軽かった。
おそらく、サイズ自体はBenQ Zowie S2など、一般的なサイズに近いのに、軽さだけずば抜けてるので、脳がおかしくなるのだろう…
この手の超軽量マウスは、GloriousシリーズやFinalmouseシリーズのように、ハニカム構造であることが一般的だが、SUPERLIGHTはしっかりとしたシェルで、この重量。
(公称63g以下、僕の個体は61gで、後述のグリップテープをつけて64g。)
しかも、摩擦力は変わってしまうが、裏ブタを外すことで、さらに2g軽くなるし、ソールのついていない裏ブタにチェンジすることで、重量を変えずに摩擦力のみ変えることもできる。
ワイヤレスであること自体は、プレイを見違えるほど向上させる要因にはならない。
しかし、やっぱり机の上がスッキリするのと、マウスをどれだけ振っても絶対にコードが邪魔にならない、という安心感は、レベルが上がるほど実感できるものだ。
メリット②様々な持ち方に対応
かぶせ持ち・つかみ持ち・つまみ持ち、どれもいける、万人受けする卵型っぽい形状。
実際、ShivFPSはかぶせ持ち運用だが、Lyr1cやEurieceはつまみ持ちで運用している。
ストリーマーの釈迦さん、SPYGEAさんなんかは、つかみ持ちだろう。
(通常、ゲーミングマウスは上記持ち方の2つをターゲットとして作られることが多いが、GPROはWIRELESSの時代から万人向けのフォルムもウリだった。)
また、”物理的”エイム改善法の記事で紹介した、3本指エイムとの相性がかなり良く、AlbralelieとCrylixがこの持ち方で使っている。
個人的には、唯一かぶせ持ちにはもう少し高さがほしいかな、と言ったところ。
つかみとつまみには相性抜群で、特に高さがパーフェクトなので、誰が持っても使いやすいと思う。
メリット③応答速度・1ms
マウスの応答速度は、体感では認識不可能だ。
しかし、キーボードで最も使われている、60%配列のダッキー(以下の記事で紹介)を除けば、LogicoolのGPROが人気という事実がある。
これは、LIGHTSPEEDの1msによって、遅延のディスアドバンテージがないからだと考えられる。(あと、ロジクールのキーボードはキーの配置が押しやすいと思う。)
マウスの応答速度を突き詰めていくと、現行の商品で最も速いのは、Razer Viper 8khz。しかし、あっちはマウスの高さが低いので万人ウケしないし、ワイヤレスではないことから、少し魅力に劣る。
しかも、Apex Legendsでは4000Hzまでしか対応していないらしく、少しもったいない感もある。(一応リンクは貼っておきます↓)
デメリット①少し手が滑りやすい
表面の触り心地が、少しサラサラしすぎており、手が滑りやすい。
Logicool側もそれを分かってか、グリップテープが付いており、早速付けてみた。
有名プレイヤーで付けている人は、僕の知る限りではいないので、安易には勧められないが、個人的に、滑りやすさをカバーするために、手が勝手に汗を出すのがイヤだった。
テニスの「ウェットスーパーグリップテープ」のように、少し湿ったような、わりとしっかりしたテープなので、滑る事はなくなるものの、マウス自体が少し重くなることに留意しておくべきだ。
もし剝がしたくなったら、もともと貼ってあった台紙に戻すと、もう1度くらいは使える感じだった。
デメリット②(Ultralight2より)値段が高い
Ultralight2はふもっふのお店で14000円(現在在庫切れとのこと)、SUPERLIGHTはAmazonで16000円。
一応2000円ほど高いがそもそも両方高く、しかも、レビューを読んでもらえれば分かるが全く違うマウスなので、値段より「自分に合うかどうか」で買うことを強く勧める。
『GPRO X SUPERLIGHT』Apexで使ってみた感想
当たり前と言ったら当たり前だが、マウスを良い物に変えようが、本人の実力が上がらないと、見違えるようにキルしまくるとかは起こらない。
しかし、このマウスの癖のなさには驚いた。良い意味でフラットに、自分の実力がそのまま出る感じ。
理由は、とにかくストレスがないからだろう。ワイヤレス・超軽量・応答速度。
自分の手で直接合わせているかのように、思い通りにレティクルを操作できるからこそ、強い人が、調子関係なく一定のパフォーマンスが出せる。
これから上手くなりたいと思っている人も、これさえ選んでおけば、少なくともマウスで言い訳は一切できない。そんなデバイスだ。
これまで色んなマウスを試してきて、絶対に何か1つはすぐに改善点が見つかってきたものだが、SUPERLIGHTに関しては、それがない。
しいて言えば、僕がZowie ZA13に慣れていたので、マウスのお尻の高さが低くなり、少し違和感を感じたことくらいか。
が、そのZA13より20gも軽くワイヤレスなので、結局SUPERLIGHTの方が優秀だ。
(ZAはZAで、重い・先端が細い・クリックの連打がしにくいなど、細かい不満があった。)
SUPERLIGHTは、ホイール・サイドボタン・ソールの摩擦など、細かいディテールも全く不備を感じない。
特に、裏面のソールの素材が良く、面積の約2/3を占めることで摩擦感が減り、めちゃくちゃスムーズにマウスを操作することができる。他のマウスにはない気持ち良い感覚だ。
しかも、前述のように様々な持ち方に対応した形をしているゆえに、自分がどの持ち方が一番適しているのか、色々試してみることすらできる。
公式サイトでS1MPLE氏が言っている「これは新たなるレベルのマウスだと思います。」も的を射ていると言わざるを得ない。
『Finalmouse Ultralight2』使用者は、知る人ぞ知る強者ぞろい
実は、元々この記事は『GPRO X SUPERLIGHT』単体記事の予定だった。
しかし、執筆を進めていき、使用者のリストを書いていく過程で、『Finalmouse Ultralight2』の使用者が思ってたより多いことに気づき、本来別の記事・角度で取り上げる予定だった所を、GPROと統合した。
(それらも勿論メリットの所に書く。)
『Finalmouse Ultralight2』使用者のイメージは、精鋭部隊。派手な印象はないが、本当に上手い人の集まり。
このへんの人らのファンだと言ったら、通だね~って感じ。僕はMukaiのファン(知らんわ)。
プレイヤー名 | 備考 |
---|---|
Mukai | 日本人で一番競技シーンを知っている男。ドームファイトの先駆者で、エイムアシスト論争をブラハ批判に持っていった唯一の人。最も優秀な人が最も人気になるわけではない、典型例。 |
Rogue | NRGのストリーマーで、ほぼオールシーズンプレデター上位。1位も複数回経験済み。声を荒げるイメージがなく、見やすい配信。 |
Mondo | Rasらのイメージが強いCRだが、Mondoもめちゃ強いし日本語が上手く、声が良いのでファンも多い。あとVの人との絡みが多い。 |
Lou | あの独特の肘べたづきスタイルで、こんなに小さいマウスを握っていたとは。最近はあまり見ない。プレデター1位だった。 |
Aceu | ストリーマーとしては頭一つ抜けてるイメージ。実写動画もいけるイケメン。キャラコンおばけ。 |
Nafen | Crylixと共に、単体性能世界一候補。高感度を軽々操る。 |
rocker | 超一流プロだが、露出が少なく謎に包まれている。NRGのメンバーは、有名でない人も含めてほとんどUltralight2。 |
実は、今回取り上げている2つのマウス、僕の中ではUltralight2の方がだいぶ使用歴が長い。
ということで、ちょっと変わった視点からレビューできるはずだ。行ってみよう。
『Finalmouse Ultralight2』レビュー
※デフォルトのポーリングレートが500なので、「DM1 Pro S Mouse Driver」を使って1000に変更した方が良い。このソフトで好みのDPIを4つまで保存する事もできる。
メリット①最も軽いゲーミングマウス
『GPRO X SUPERLIGHT』の章で軽い、軽いと言ったが、それは大きさやシェルが一般マウス並みで、かつワイヤレスであることを考慮しての印象だ。
純粋な数字で最も軽いのは、こちらのマウス。なんと公称47g。
しかし、10gって思ってるより誤差の範囲で、SUPERLIGHTと持ち比べてみると、「正直わからん、てかワンチャンSUPERLIGHTの方が軽い」って感じ。
メリット②付属のシールでサイズ感をカスタム
賛否両論ポイントの所にも書くが、Ultralight2はめちゃくちゃ小さい。
人によって、マウスの幅・高さ・長さなど、もうちょっとあればしっくりくるのだが、という時がある。
そこで重宝するのが、付属のシール(インフィニティスキン)。
2.5mm・2.0mm・1.2mmと段階に分かれており、重ね付けも可能。(トップは3枚とも1.0mm)
これにより、自分が本来使いたい、ベストな形のマウスを調べるのにも、役に立つ。
例えば、僕は以前、マウス後部の“palm”用シールのみ、3枚重ね付けしていた。そのフォルムのデータを参照すると、Zowie FK2のスペックと酷似していることに気づいた。
よって僕の手は、Zowie FK2と最も相性が良い可能性がある。(純粋なマウスの形のみでの判定)
今ではさらに、右サイドに2.5mm・2mmのシールを重ね付けしており、残念ながらこのサイズ感のマウスはない。
(左右非対称マウスで比較的小さい、ZowieのEC-2が候補に挙がるが、シェル有りのUltralight2より、一回り大きくなってしまう。RazerのDeathAdder V2 Miniなんかが良いかも)
このように、 Ultralight2をカスタムしていく過程で、自分に最も合うマウスを探すこともでき、それは大きなメリットであると考える。
※ただし、インフィニティスキンは人によっては不評なので、注意。
あと、剥がしたらネチャってなるから、シール剥がし必須。(GPROは少し拭くだけで大丈夫。)
infinity skinは使わないと思った方がいいです。つけると、マウスに硬い部分と柔らかい部分ができることになり、違和感が半端じゃない。
それにスキンをつけたら重くなり(それでも軽いですが)、gloriousやg-wolvesと大差ない重さになってしまう。
賛否両論ポイント①4つ角ソールの摩擦力が高い
メリット①で、たしかに最も軽いマウスだと言う事は書いた。
しかし、マウスを振った時の体感重量は、少し違う。
というのも、このULtralight2、超軽量でもマウスがぶっ飛ばないように、摩擦力が最も高い、4つ角ソールを採用しているのだ。
よって、本体の重量は軽いのに、けっこうな摩擦が発生し、「思ったより滑らんなあ」という感覚になる。
これは、コントロール性を重視するプレイヤーにとってはありがたい仕様だろうが、どちらかというと滑るマウスの方が良い人は、本体が軽いだけに変な感じがする。
このあたりの話は、マウスパッドの滑りやすさとも関連してくるが、僕がハードマウスパッドの記事で「Ultralight2と相性が良い」と書いたのは、パッドの滑りやすさとマウスの滑りにくさが相殺したからだ。
それくらい摩擦力が高めのUltralight2。実際、同じG640上でSUPERLIGHTと使い比べてみると、明らかにSUPERLIGHTの方が滑るし、体感重量が軽い。
なので、Ultralight2の軽さをもっと感じたいなら、より滑るマウスパッドが必要になる。
では、Ultralight2使用プロは、何のマウスパッドを使っているのか。
まず、MukaiとRogueはBenQ G-SR。
これは、Apexプロ・ストリーマー達の間でよく使われているソフトマウスパッドの中で、最もコントロール重視の商品。
Ultralight2の摩擦力と合わせて、相当滑りにくい環境になるので、マウスを振るのに力が要る。
僕も試してみたが、もはやそのへんのマウスと同じような体感になり、ものすごく小さいマウス、という特徴のみが残る。
(このサイズがおそらくキモなので、後述する。)
また、他4人はミドルタイプのマウスパッド(G640・Artisan 零 Mid・BenQ G-SR-SEなど)を使っており、僕はこちらをオススメする。
特に、Nafenが使っているG640は、この中でも最も滑りがよく、かつ値段が低いので、買い替えやすい。(さっきSUPERLIGHTと滑り具合を比べたやつ)
まだまだコントロール重視の摩擦感があるものの、G-SRよりは一般向けになった感じだ。
(ソフトマウスパッドのレビュー記事も、後日書くつもり。)
まとめると、「軽さに期待しすぎると、摩擦力のせいでそこまでかもよ」ということ。
軽さが喧伝されているが、実際はコントロールタイプの選手が好むソールを使っており、圧倒的な滑りや、手と同化したかのような一体感を求めて買ってはいけない。
それはSUPERLIGHTの領域。
賛否両論ポイント②実質つまみ持ちオンリー
結論から言おう。
上記リストで挙げた、 Ultralight2使用中のプロは、ほとんどがつまみ持ち運用の可能性が高い。
なので、つまみ持ちが苦手な人は、絶対に選んではいけない。
というのも、まず、僕の女性並みの手(17cm)でシェルも何もないUltralight2をつかみ持ちしてみる。すると、マウスのお尻が手のひらに「ついたりつかなかったりして気持ち悪い」、これがシェルを装着した理由だ。
そして、彼らプロの手は、十中八九僕の手よりは大きい。なので、この「ついたりつかなかったり」は(シェルなしで)「全くつかない」となる。(実際素のままのUltralightはそれぐらい小さいし、18.5cmくらいある弟の手だとそうなる)
また、後ろにシェルをつけたとしても、僕の手で「ガッチリ手のひらにつく」というよりかは、「まあつくようになったか」くらいの差。
であれば、プロがシェルをつけると、むしろ僕の「ついたりつかなかったり」の状態に近くなり、多少重くなってしまうというデメリットも考慮すると、後ろにシェルをつけているとは考えづらい。
ここまで来るともう分かると思うが、つまり、プロ達がUltralight2を使う時、手のひらにマウスがついていないことが確定し、よってつまみ持ちであると言える。
つまみ持ちは、マウスの持ち方の中で、もっともニッチな持ち方だ。指先のみによってエイムするので、疲れやすかったり人によってはマウスが保持できない可能性がある。
特に、重心が「身体の後ろ側=手で言う指でなく手のひら」にある、レッシュ4スタンス理論のBタイプ。
例えば、手のひらがマウスにつく、大きめのZA-11にしてから飛躍的に上達した、と語るCR・Kawaseのようなタイプが、Bタイプに当たる。
彼がもし、つまみ持ちのプロに憧れて、持ち方を真似していたら、おそらく今のような活躍はなかっただろう。
よって、この時点で人を選ぶマウスだと言わざるを得ない。
さらに、Ultralight2はマウスの高さが絶望的に低い。(36mm)
単につまみ持ちをするのさえ、正直SUPERLIGHTの方が持ちやすいし、体感重量が軽いので、指が疲れない。
…と思ったが、SUPERLIGHTでつまみ持ちをすると、けっこう手前を持たなくてはならず、そうするとクリックする指も手前の方になり、押すのに指の力がまあまあいる。
(SUPERLIGHTでEurieceの持ち方(動画のせたやつ)を試したけど、けっこうクリックに力いるぞ~)
しかし、Ultralight2なら、元々マウスが極小なので、つまみ持ちでも正常なクリック位置で運用できる。
なので、先ほどの賛否両論ポイント①と合わせて、「つまみ持ち専+滑りよりコントロール重視」、この2つが当てはまるなら、性能を引き出すことができる可能性が高い。
『Finalmouse Ultralight2』Apexで使ってみた感想
まず思うのが、やっぱり4つ角ソールは癖が強い。マウス本体は軽いのに、けっこうマウスが滑らないので、正直「これ、軽さの意味あるか?」と思う。
代表的なソフトマウスパッドでは、先ほど書いた、比較的滑りの良い『G640』が一番マシだったが、さらに滑りを良くするためには、『Artizan 飛燕』や『雷電』が候補に挙がるだろう。
(かといって、ハードマウスパッドだとかなり滑るので、これもまた万人向けとは言えない…)
滑らないG-SRを使っているMukai・Rogueは、あのリストの中でも強い方なのでびっくりだが、彼らにとっては軽さや滑りでなく、マウスのサイズが決め手になっているのだと思う。
商品ページにも、「重量より形状が重要」と書いてありますが、まさにその通り。小さいマウスが自分にとって合うのかよく考えた方がいいです。使う人によってはこれ以外考えられないほどの神マウスになると思います。
マウスソール自体を大き目のもの、より滑る素材の物にしてしまうという手もあるが、ソールを貼る四つ角の部分が、骨組みの上に出っ張ってしまっているので、きれいには貼れない可能性が高い。
上述のように開発的には、大き目の滑るソールにするとぶっ飛んでいくから、それを抑えるためだろうが、滑るソール+マウスパッドを滑らないG-SRとかにすれば、より万人向けなテイストに仕上がりそうだ。
ファイナルマウスは値段なりの価値のあるマウス。ただし、マウスソールが微妙で、リフトオブディスタンスも高め、コードも割と硬めで欠点がないわけではない。
パラコード化してマウスソールを履き変えれば解決するが、さらに課金が必要となり、完璧を追い求めるなら、2万円コースのマウスなんだと思う。
僕自身はコードに不満を持ってはいない。普通に柔らかく、そのまま使えるクオリティだと思う。
しかし、ソールやマウスパッドなど、カスタムを施してやっと100%の力が出せるという意味では、ほぼ同意見だ。
また、このマウスの真骨頂である、つまみ持ち+コントロール重視の精密エイムは、ゲームのタイプを加味すると、最適解ではない。
一般的に言うと、ApexはValorantやCS:GOよりも動きが多く、比較的滑るマウスの方がトラッキングしやすく強い、とされているからだ。
実際、使用者リストのAceuは、CS:GO時代からそのままApexでも使っているだけなのではないか。
ゲームタイトルも考慮すると、やはり幅広い使い方に対応できる、SUPERLIGHTの方が、結果が出やすいチョイスに見える。
僕自身は、このマウスでうまくいった試合はほぼなかった。つまみ持ちは相当慣れないと、ただただつかみ持ちから安定性をなくしたような恰好になりやすい。
(過去記事(3本指エイムの記事と同じ)でも、「G PRO 有線」を使ってつまみ持ちを試したが、うまくいかなかった。よって、僕が単につまみ持ちに向いていない可能性がある。一応レッシュ4スタンス理論では、A2=前・外重心なのだが。)
かといって、かぶせ・つかみ持ちならばGPRO SUPERLIGHT以上のマウスは見当たらない。(Xtrify・M4という、ハニカム・エルゴノミクスマウスが欲しかった時期もあったが、ブロガーの評価が高いだけで、Apexで結果を出しているプレイヤーがおらず、見送った。)
逆に言うと、Ultralight2の使用者はある種選ばれし者たち。だからこそ、その頂点にいるリストの彼らは、Apex有名プレイヤーの中でも、一癖も二癖もあるエイム職人ばかりなのかもしれない。
摩擦力も最悪慣れでなんとかなる(?)と考えれば、「俺はつまみ持ちを極めるんだ!!」というユーザーには、最高の商品になりうる。
Finalmouse Ultralight 2 – CAPE TOWN(ふもっふのおみせ)
※執筆時品切れ中
結論:『GPRO X SUPERLIGHT』がオススメ!
というわけで、Logicool『GPRO X SUPERLIGHT』は、ほとんど誰が使っても最高のパフォーマンスが保証されているようなマウス。『Finalmouse Ultralight2 – CAPE TOWN』は、かなり条件が限られるが、合う人は最高以上のプレイができる可能性がある、と結論づけた。
Ultralight2は店頭で握ってみることができない以上、本サイトでは『GPRO X SUPERLIGHT』を激推しする。
Ultralight2でめちゃくちゃ強い人が、SUPERLIGHTに移っても、ある程度パフォーマンスが維持できることは想像に難くない。
しかし、SUPERLIGHTからUltralight2に移れば、つまみ持ち・コントロールタイプ以外は、エイムが崩壊するだろう。
その意味でも、より広い範囲のプレイヤーをカバーできる、SUPERLIGHTを選ぶのが、失敗しない買い物だと言える。
また、Ultralight2は生産自体が終了しており、作った企業はマウス開発から撤退した。よって、FPSのキャリアが長くなってくると、デバイス変更を余儀なくされる可能性が高い。
その一方で、SUPERLIGHTは業界最大手のLogicool(海外ではLogitech)が開発しており、今後品薄など「手に入らない」といった状況はないだろう。
今後FPSを続けても、SUPERLIGHTはいつでも買えるので使いつぶせるし、さらに軽くしてスペックを進化させた後継機が出れば、乗り換えれば良い。
このあたりの企業の事情も鑑みれば、相当Ultralight2に惚れている、とかでない限り、SUPERLIGHTで自分に合う持ち方を模索していく方が、固い択に思える。
ゲーミングマウスの今後
スポーツでは、新しい道具の導入で、選手たちが全く違う領域のパフォーマンスをしだしたり、ルールそのものが変わってしまうことがある。
例えば、水泳のSPEEDO。ゴルフのドライバー(たぶん)。陸上のスパイク。
今回紹介した『GPRO X SUPERLIGHT』は、そんな道具たちを思い起こさせる。
『Finalmouse Ultralight2』もすごかったが、暴れ馬すぎて使いこなせる人は少数派だろう。
別に、これまでのマウスで全然、強い人は強い。でも、SUPERLIGHTを使ってみると、「これは本当にすごい」「テクノロジーの結晶だな」、と感じる。
正直、今SUPERLIGHT以外、特に重いマウスを使っていて強い人は、SUPERLIGHTに変えるという奥の手を封印してその強さか、とも。
これからのスタンダードになっていくことは、間違いない。遅かれ早かれ、FPSプレイヤーの使用マウスは、SUPERLIGHT一択になってくるんじゃないか。
今後出る全てのマウスは、これと比較されるのか、と思うと少し気の毒になる。
ワイヤレス・超軽量や、応答速度で勝負しても勝ち目はないので、他のセールスポイントを編み出していくしかない。
(実際、ZYGEN NP-01のように、Zowie S2という超スタンダードマウスの後ろだけ左右非対称にするなど、変化球なマウスが出だしている。)
しかし、FPSゲームにおいて、上記のワイヤレス・重量や速度が何より重要だということを加味すれば、SUPERLIGHTの天下はしばらく続くだろう。
技術自体は圧倒的なものがあるRazerが、SUPERLIGHTの上をいく製品を出す可能性もあるが、SUPERLIGHTの良さはマウスの形も含めてだ。
多少のスペック上昇のかわりに平べったいマウスを出してしまえば、Viper Ultimateの二の舞になる。(Ultimateの使用者もちょこちょこいるけど。)
この前Viper 8khzを出したので、Logicoolとは別の視点で攻めていくのかもしれない。
今後もどんなマウスが出てくるのか、楽しみにしている。
おわりに
Apexを始めてから、有名な選手のプレイシーンを楽しむのはもちろんのこと、自分でもプレイするので、デバイスや周辺機器にも詳しくなり、今に至る。
ApexにかかわらずeSportsは、男女の体格差や施設の必要性・ある程度の人数が集まる必要があったり、時間帯が制限されるという、現実のスポーツの不便な点を解消しており、誰でも気軽に競技を体験できる、素晴らしいコンテンツである。
ネットマナーの問題はあるものの、ボイスチャットによる人間関係の形成、というメリットも含め、今後もますます盛り上がっていくジャンルと言って間違いない。(最近アップデート関連の不手際がヤバすぎて、ちょっとひいてるけど…)
本当は有名ストリーマーのように、プレイで業界を盛り上げられれば一番良いのだが、そこまで上手くはないし、Apexのような重いゲームの映像を、きれいに残したり配信したりするのは、実は機材がかなり整ってないとキツイ。
僕は、僕の得意な形、今できる形でeSportsに関わっていけたらと思う。
今後も執筆していくので、よろしくお願いします。
おまけ:GPRO X SUPERLIGHTは高すぎる、という人へ
SUPERLIGHTはめちゃくちゃ良い商品だが、やはり価格が高い。
1万円を切ってくれればせめて…という人には、Xtrfy(エクストリファイ)M42をオススメしたい。
メリットは以下だ。
- Amazonで9000円。(執筆時)
- 有線だが、SUPERLIGHTよりわずかに軽い。
- センサーも高性能。(Optical Pixart 3389)
- サイズはSUPERLIGHTより一回り小さめで、付属のカバーによりお尻の高さを調整できる。(Amazonのサイズ画像が細かくて親切)
- ソールが100%テフロンでなめらか。(SUPERLIGHTと同じ)
- GPRO SUPERLIGHT使用者リストのSellyも愛用中。また、Aimbot6974が使っている、入手困難の「Air58 Ninja」もかなり似たスペック。
- カラー展開が多く、どれもカッコイイ。(5色展開)
今まで色々なマウスを調べてきたが、SUPERLIGHTの代用として選ぶなら、これ以上のマウスはないと思う。
参考になれば幸いだ。(サイズ感だけよく確認してね!)