この記事では、僕がこれまで睡眠に関して色々試してきたことの中でも、特に役立った「寝る時の工夫」を紹介している。
また、書籍「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」の内容の中で、すぐに取り入れて睡眠を改善できるテクニックも、多数掲載した。
書籍からの情報は(S)、僕が独自にやっている工夫は(T)と章に記載したので、気になった項目についての詳しい解説が読みたければ、本を購入するのも良い。
さらに、重要度と手軽さを考慮し、オススメ度を3段階の★マークで表した。参考になればうれしい。
それでは始めよう。
睡眠不足や睡眠の質が低いデメリット(S)
まずは、睡眠を改善する必要性を感じてもらうために、睡眠不足のデメリットを紹介しよう。
睡眠が不足すると、脳内のグルコースが1割減る。それにより、タスクにかかる時間が14%増し、ミスの確率が20%以上増える。
運転の実験では、飲酒の状態より睡眠不足の方が、ひどい運転をする場合すらある。
さらに、細胞分裂を行う「テロメア」という構造は、年齢につれてすり減っていくが、そのスピードが加速する最も大きな原因が睡眠不足だ。
よって、平たく言うと、睡眠不足は4を早める。もちろん、睡眠の質が低く、深く眠れない場合も、頭の情報を整理しきれず潜在能力をマックスまで引き出せない原因となる。
以上より、睡眠は「これ以上は無理だ」、と言うほどこだわって然るべき項目と言える。
ここからは、一日の時間の流れになるべく合わせて、睡眠のテクニックを紹介していこう。
日中にできるテクニック
★★★朝に起きて夜に寝る=朝型生活にする(S)
深夜に働く生活は、鉛による汚染や紫外線の有害な部分を浴びるのと同等の発ガン性がある。糖尿病になりやすくなり、怪我など事故の確率も2倍になる。
また、不眠症になる確率は14倍になり、メタボリック症候群のリスクも上がる。よって、朝に起きて夜に寝る、一般的な生活スタイルの方が、確実に健康でいられる。
★★オススメのアラームアプリ(T)
アラームには、「Sleep Meister」というアプリがオススメだ。
睡眠の深さをリアルタイムで測り、アラームを設定した時刻の少し前に、最も睡眠が浅く起きやすいタイミングで起こしてくれる。
また、睡眠の深さの推移など、睡眠効率をデータで示してくれる機能もあるので、自分の睡眠の質が客観的に見て高いのか低いのか、知ることができる。
「Sleep Meister – 睡眠サイクルアラームLite」by Naoya Araki
★★午前中に瞑想をする(S)
午前中に瞑想をすると、その日の睡眠の質が高まることが分かっている。
瞑想に関してはまた別に専門書を読もうと思っているが、自分で実践してみて、これも練習して上達する「一つの技術」だと感じた。
僕自身は、読書や執筆中疲れた時に、休憩する感覚で瞑想を取り入れたが、このやり方は学生や社会人の勉強にも良いので、ぜひ取り入れてほしい。
★★午前中に運動をする(S)
朝・昼・晩にそれぞれ運動をし、睡眠の質を測る実験を行った結果、最もよく寝られるのは、午前中に運動をしたグループだった。
その理由は、行動力を司るホルモン「コルチゾール」の量が、ちょうど寝る時間帯に最低になるから。
また、運動をすると体の深部体温が上昇してしまい、寝付けない原因になる。
よって夜の運動はオススメできない。夕方までにしておこう。
運動の種類は、有酸素運動より筋トレの方が良い。なぜなら、有酸素運動は筋肉を分解してしまうので、脂肪がつきやすくなるからだ。
筋トレをすると、「アナボリックホルモン」が分泌され、気分が上向きになり、見た目が若返り、よく眠れるようになる。
僕は公園のベンチで腕立てや腹筋をしたり、家の懸垂器具で懸垂をしている。動画を観ている時にスクワットをする時もある。
懸垂器具は場所を取るが、鍛えにくい背中を鍛えられるので、買ってよかったと思っている。
(懸垂以外だと「デッドリフト」という重いものを持ち上げるエクササイズになるが、ジムにあるような重りがないと難しい。しかも腰を痛めやすい。)
★★★太陽光を浴びる(S)
太陽光を目の受容体でキャッチすることにより、幸福感を上げる「セロトニン」が分泌される。
また、夜間のコルチゾールレベルが大幅に下がることにより、それと反比例の関係にある「メラトニン」(熟睡を促すホルモン)が自動的に上昇し、眠りの質が上がる。
まず、朝起きたらすぐにカーテンを全開にしよう。そして、働く場所に窓があることが重要。窓のない環境で働くと、自然光が173%少ないことにより、睡眠時間が平均で46分短くなってしまう。
そして、太陽光を浴びるためのオススメ習慣は、散歩に行くこと。僕自身、必ず午前中というわけではないが、少なくとも夕方までに、一度公園まで散歩し、頭をリセットしている。
散歩の効用については、下記記事を参照してほしい。
★アーシング(S)
難しい記述だがそのまま引用すると、「マイナスの電荷を帯びた抗酸化物質が地面から体内に侵入し、炎症が起きている部分に存在するフリーラジカルのプラスの電荷を中和する」。
とりあえず、現代人に起こりがちな「炎症」を回避することができるようだ。(炎症の詳しい解説と、手軽な対策は下記記事から。)
最も簡単な方法は、地面に触れることだが、色々な方法があるのでリンクを貼っておく。
「アーシングのやり方」by Earthing Japan
僕は、公園に散歩に行った時に、筋トレついでに地面を触ることにしたが、別に一日のいつ行っても構わない。
自宅に使っていないアースコンセントがある場合、家でもできるようなので、そちらもチェックしておこう。
「室内でアーシング」 by Earthing Japan
★★★カフェインを摂らないor午前中までに摂る(S)
人間は、脳の老廃物「アデノシン」と受容体の結合が一定量に達すると、眠気を感じるようにできている。
しかし、カフェインはその受容体と結びついてしまうので、「疲れているのに、眠いはずなのにわからない」という状況が生じる。
カフェインの半減期は5~8時間らしく、それはつまり、飲んでから10~16時間たっても、1/4は残っているという事だ。
よって、本当は「飲まない」というのが、一番最適な選択肢である。
しかし、人によってはリラックスするツールになっているので、午前中までに摂るようにすることをオススメする。
ちなみに、僕はコーヒーはおいしいとは思うが、別になくても生きていけるので、原則飲まないことにした。
★ケータイでの通話を避ける(S)
ケータイでの通話は、発ガン性や、腫瘍の原因になる可能性があるらしい。
有線のPCで代用できる状況なら、そちらを利用しよう。
★Wifiを避ける(S)
PCをWifiでインターネットに繋ぐと、精子の運動率の著しい低下を招き、DNAの断片化が進むと言われている。
家にある全てのコンピューター(デスクトップ・ノート問わず)を有線接続にし、スマホもなるべく別の部屋に置くようにしよう。
スマホが近くにあるだけで生産効率が下がるので、いずれにせよスマホは近くに置かないほうが良い(スマホ脳 by アンデシュ・ハンセン)
寝る前にできるテクニック
★★紙の本かKindle端末を使う(S)
お風呂の後に読書をする人も一定数いるだろう。その時、iPadやスマホで読むのではなく、紙の本やKindle端末を使い、目をいたわろう。
同じ8時間睡眠でも、就寝前にiPadで本を読むと、紙の本で読んだ場合より寝た後に疲れが残っている、というデータがある。
そもそも、夜間の使用に関わらず、読書は紙の本かKindleで行ったほうが、余計なアプリなどの邪魔がなくて集中できる。
僕が語学学習にも使っている、「Kindle Paperwhite」の紹介記事は、以下。
★★★SNSをしない(S)
SNSは、通知により探求欲を刺激する「ドーパミン」を発生させ、それを見た時に出る「オピオイド」で快楽の感情を与えることで、人を中毒にする。
その中でもドーパミンは、注意力を高め意識を覚醒させるので、睡眠時間を短くさせることが分かっている。
寝る前にベッドでごろごろしながらSNSをスクロールするのは、現代人の典型的な姿だろうが、その他大勢と同じことをやっていても、大きな事を成し遂げることはできない。
★マグネシウムを体に塗る(S)
現代人の80%はマグネシウムが不足しており、その事で4期が早まるリスクが2倍になるらしい。
調べてみると結構お高く、僕は今のところやる予定はないが、興味深い情報だったので、最終原稿にも残すことにした。
★★リラックスできる音楽を聴く(T)
寝る前にベッドに座り、5~10分ほど、リラックスできる音楽を聴きながら目をつぶると良い。副交感神経が活発になり、睡眠へ導入しやすくなる。
僕は、Spotifyにあるゆったりめのジャズのプレイリストを多数フォローしているが、環境音(森や海、雨の音)やアンビエント音楽などをYouTubeで検索して、流すのも良いだろう。
(ちなみに、気を散らせる最大の要因になるので、僕はスマホにYouTubeのアプリは入れていない。ブラウザで検索すれば十分だ。)
もちろん、リラックスミュージックの検索以外にスマホを使うことはやめておこう。ブルーライトの刺激は睡眠の妨げになる。
また、このタイミングで瞑想を取り入れるのも効果的だ。僕はその日の気分によって使い分けている。
寝る時にできるテクニック
★★★日付が変わる前に寝る(T)
成長ホルモンが出るのは10時~午前2時であることは有名だが、早すぎる就寝も難しいので、「日付が変わる前に床につく」を目標にしよう。
成長ホルモンは子供の身長を伸ばすイメージが強いが、大人が若さを保つためのホルモン「HGH」としても知られており、疲労の回復やメラトニンの分泌を担っている。
★★★豆電球を使わない(S)
寝る時の寝室は、真っ暗が良い。豆電球を使うことで、目が悪くなるリスクが格段に上がるらしい。光なので、当然睡眠の質も低下する。
僕が小さい頃親と寝ていた時は、豆電球が当たり前だったので、それが原因で目が悪くなった可能性もある。
ちなみに、僕は「ICL」という技術で眼内コンタクトレンズのようなものを入れており、視力は高い。
PCやスマホを使用する時のみ、ブルーレイカットの眼鏡を使用している。
興味がある人のために、いずれICLの体験記事を書いても良いかもしれない。
★★★★★耳栓・アイマスクをする(T)
星の数が限界突破しており、タイトルにも使ったくらいのテクニック。正直、この記事でもこれだけ持って帰ってもらえれば、十分がんばった甲斐はあったと思う。
医学論文「集中治療室の睡眠の質に対する耳栓とアイマスクの影響系統的レビューとメタ分析」によると、
- 睡眠時、耳栓の使用だけでは睡眠の質に有意な影響を及ぼさない
- アイマスクの使用だけで睡眠の質に大きな影響を与える
- 耳栓とアイマスク両方の使用で、睡眠の質に最大の効果がある
ことが分かっている。
僕自身、耳栓とアイマスクをするようになってから、睡眠の質がめちゃくちゃ上がり、前より頭が良くなった気さえする。
人間は、完全な闇と無音の空間に放り込まれると、即座に眠り始めるらしい。それだけ視覚・聴覚の情報に頼っている生き物なのだろう。
よって、やはりそれら感覚器官による刺激を極力抑えるのが、良質な睡眠のカギとなる。
↓僕が使っているオススメアイテム
備考・耳栓のタイプ
また、例えば「朝アラームが聞こえなくなると困る」という方も、論文に書いてある通り、アイマスクの使用だけで睡眠の質が向上するので、使うことを強くオススメする。
耳栓も、指で潰して耳の中で膨張させるタイプのものは遮音性が高いが、単にゴムのようなものを耳に突っ込むだけのものは、そこまで音を防がない。
アラームが聞こえる範囲で睡眠を改善させたい人は、そちらも検討してみると良い。
↓以前使っていた耳栓(商品詳細にも「必要な音を聞き逃さずに安心して休む」の表記が。)
★PMRをする(S)
PMRは、日本語で「漸進的筋弛緩法」と呼ばれ、昔DaiGoの切り抜き動画でも見た覚えがある。
全身に力を入れて、ふっと抜くのを繰り返すことで、筋肉が弛緩し、脱力するので、眠りに簡単に入れるというテクニックだ。
なんでも、軍隊で採用されていた方法らしいが、個人的には上述のアイマスク&耳栓だけで強すぎるし、日中の習慣も手伝って、入眠には全く問題がなく、使わなくなってしまった。
どうしても眠れない日の救急ラインとして、頭の片隅にでも置いておこう。
★鼻呼吸が苦手な人へ(T)
鼻の構造上、寝るときに鼻呼吸がしにくい人も、一定数いるようだ。
最も大事な睡眠が生まれつき苦手なのは、すごくかわいそうだと思う。
知人も一時期使っていたが、「ブリーズライト」という商品が、評価も高くて良い。
★★★毛布と布団の正しい重ね方(T)
最近までずっと勘違いしていたが、冬の布団は毛布が上で布団が下が正解だ。
こうすることで、熱が外に逃げず、湯たんぽなどがなくても十分暖かい。
単純だが効果絶大なので、僕のように知らなかった人は、絶対試すこと。