ここ最近、がんばっている事を続けて結果を出すための方法として、習慣を確立する方法や、そのための環境を作る方法を解説する記事を出した。
たしかに、続けることで人は物事に上達する。なので、スキルを上げていくという観点でこのやり方は正しい。
しかし、こと事業を大きくする、力を入れているものを成長させる(会社だけでなくYouTubeチャンネルやこのようなブログも当てはまる。ソーシャルメディアもその一つだ。)には、そのような「戦略」を立てる前にやることがある。
それが、「ビジョン」を文字にし、それを共有することだ。(僕のように一人でやっている人は共有の必要はないが)
ということで、今回は、書籍「ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる」の内容の中でも、特に重要な「ビジョン」について、書いていく。
僕自身、習慣と環境を構築し、これまで半ば適当にやってきたブログを、もっと本格的に進めていこう!と思ったのは良いものの、続ける準備が整ったのに何かが足りない感覚があった。
そこで、書店でたまたま出会ったこの本に興味を覚え読んでみたところ、このブログ(成長させたい対象)にはビジョンが足りないことが分かったのだ。
この記事では、「ビジョン」を分かりやすく説明し、誰でも自分の事業におけるビジョンを作れるようにする試みだ。
具体例として、このブログのビジョンも、ここで作成してしまおうと思う。
スキルだけでなく、ネットメディアのような”事業”を伸ばしていきたいと考えている人の参考になると嬉しい。
それでは始めよう。
ビジョンとは
ビジョンは以下の3点で構成される。
ビジョン=コアバリューと理念→パーパス(存在意義)→ミッション
これらを適切に設定することで、構成員から“通常では考えられない努力”を引き出すことができる。
次章からそれぞれの解説を行う。
コアバリューと理念
コアバリューと理念は、組織の「指針となる哲学」である。
根本原則や信条を体系化したもので、事業や人生で何が重要か、我々の意思決定の背後に常に存在しつづける戒律だ。
「心のなかにある価値観」と言っても良いだろう。よって、比較的抽象的な内容となることが多い。
一行で終わる「パーパス」・「ミッション」と違い、それ相応に長い文書となる。(ビジネス書の半ページ以上。)
他の項目と異なり、タイトル→説明という流れが一般的だ。
「ビジョナリー・カンパニーZERO」では、複数の企業のコアバリューをそのまま紹介している。
著作権の関係上、ここに直接載せることはできないので、ぜひ購入して確認してみてほしい。自身のコアバリューを決めるヒントになるだろう。
この記事では、僕のブログのビジョンを実際に作ってみるので、他の項目も含め、実際の企業の具体例はなくとも、なんとなくの外形をつかんで頂ければありがたい。
パーパス (存在意義)
パーパスは、あなたの事業が存在する根本的理由であり、会社がそこにある究極の意義である。
重要な特徴として、常に実現に向けて努力する目標ではあるものの、決して実現されることはない。
道しるべとなる星のような存在で、「ミッション(目標)」達成のたび、パーパスを確認して次のミッションを決める。
1・2文で簡潔に表現され、会社が世界にどんな影響を与えようとしているかを明確に伝える声明文。
パーパスの見つけ方
「私たちはXという製品をつくっている」という1文から出発し、「なぜ」を5回繰り返す。
実際にやってみると、コアバリューと理念にも繋がる、自分にとって大切な考え方が次々と明らかになった。
例:
- 「私(たち)はブログ記事という製品を作っている。」→「なぜ?」
- 「書くことが最も得意なことで、それにより世界に影響を与えられると信じているからだ。」→「なぜ書くことが得意なのか?」
- 「僕の書く原動力は、綿密な思考であり、常に”今より良くなる”ことを求める一貫した態度である。」→「なぜ考えて改善するのか?」
- 「思考がこの世で最も面白く、エキサイティングな行為だからだ。」→「なぜ?」
- 「考えれば、毎日が冒険になる。一生アップデートされ続けるゲームに近い。」→「なぜそう思うのか?」
- 「解を見つけることは新しい発見をすることと同義だ。そして、その発見が新しい謎を生み、それを解く楽しみが発生する、いわば無限機関だから。」
ミッション
ミッションは、全員のエネルギーを集中させるべき、明快で説得力のある目標である。
決して実現されることのないパーパスと違い、ミッションは実現可能。
案内星であるパーパスに対して、ミッションはその時に上っている山であり、頂上に着いたら再び案内星に視線を戻し、次に登る山を決める。
とても重要なこととして、優れたミッションには実現するまでの「具体的時間軸」がある。
また、失敗する可能性と、それを打ち消すような「なんとかやり遂げられる」という信念が同時に存在するような目標が、本物のミッションだ。
そして何より、読む人の心を揺さぶり、ワクワクさせるものでないとならない。
ミッションは、しばしば「BHAG」と呼ばれる。「Big Hairy Audacious Goal」、社運を賭けた大胆な目標、だ。
目標を達成したら、速やかに次の目標作成に移ること。さもなくば燃え尽き症候群にかかる可能性がある。
Taishi Kitanagaのビジョン
これらの定義を元にして、ブログ「Taishi Kitanaga」のビジョンを作成した。
コアバリューと理念
思考 知る・考える・気づく、頭を使うことが最も面白い。
知性 知的であることが最もかっこよく、セクシーである。
選択 才能の存在も成長マインドセットも両方正しい。大事なのは自分がどの道を選ぶか。
自信 人は好きな人を有能だと錯覚する。生まれた時から知っている自分自身が天才だと思えなければ、赤の他人にすごいと思われるわけがない。
成長 今より良い状態を常に目指す。
平等 知識・富・機会を独占しない。
緩急 リラックスすることを忘れない。
誠意 嘘をつかない、根拠なく批判しない。
才能 得意なことを好きになる。
継続 習慣にして続けることが最も重要。
システム バランスを重視する。睡眠・運動・インプット・アウトプット。
音楽 BGMのメリットをうまく利用する。
パーパス (存在意義)
知って得する情報を惜しみなく提供することで、能力を向上させ、生きたい人生を送る手助けをする。人生の質を高める。
ミッション
2022年末までに、質の高い200記事を公開する。(現在約80記事、要リライト含む。)
※いわゆる企業では、ミッションは10年~25年のスパンで設定され、さらに毎年見直す「戦略」・常に変化する「戦術」がある。
今回は、個人でやっていることなので、簡略化のためミッションと戦略をほぼ統合した形だ。
余談:ハリネズミの概念
かなり以前の話だが、得意なことをしようという記事で採用した好き・得意・儲かるの3要素で考えるやり方が、本書でも紹介されていた。
偉大な企業を作る人は、ハリネズミ型の思考を行う。
それは、①情熱をもって取り組めるもの、②自社が世界一になれる分野、③経済的競争力を強化するもの、これら3点が重なる部分をしっかりと理解し、それ以外を潔く捨てる意思決定をすることだ。
久しぶりに照らし合わせてみると、やはり、この書くという仕事は色々やってみて最後に残ったジャンルだけあって、かなり条件を満たしている。
自分が何に力を入れていくかの指標として、知っておいてほしい。